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さぷ日記、主に本の書評

メーカーの人事部門で人材育成関係の仕事をしてます。仕事がら組織とか戦略とかの本の書評が多めです

弊社のパワハラも御社のパワハラもなぜなくならないのか?

今年の5月にパワハラ防止法案が成立して、来年にも施行される予定です。

今回の法案では「優越的な関係を背景にした言動で、業務上必要な範囲を超えたもので、労働者の就業環境が害されること」と定義された事が画期的なようなのですが、おそらく業務上必要な範囲を超えてという部分が、パワハラ事案が発生した場合の争点になりそうです。

さて、話は少し変わりますが企業ではどういう人が出世していくのでしょうか。

規模が大きくない会社だと社長の知り合いがいきなり役員で来ることがあるケースもあると思いますが、未だ多くの会社では新卒で会社に入って同期よりも成果を上げて、徐々に頭角を表すという出世の仕方はまだまだあると思います。

ドラッカーはマネジメントで圧倒的に大切なのは時間であると言っています。よく優先順位をつけろと言うことは言われますが、それよりも劣後順位が大切で、要するにやらない仕事を決めてから優先順位をつけるべきだという事を著書の中で示しています。

社会人にとって時間は圧倒的について重要な要素な訳ですが、僕の知っている限り成果を出している社会人は働き方改革の時代にあってもかなりのハードワーカーばかりです。

知り合いのコンサルの方は土日にメールしても必ずその日中に返信がありますし(土日メールする僕も良くないですね、反省です)、弊社でも成果を出している人間は未だ軒並み残業時間が長い人間が少なくないですが、昨今の働き方改革の流れがあるので、どうも家に持ち帰って仕事をしているのではないかと疑っています。

優秀な社員は前例のないミッションを与えられている事が多く、新しい事にチャレンジする場合はどうしても時間がかかります。試行錯誤とは言い方は悪いですが時間の消費と同義でもあります。

つまり優秀な社員というのは、難題に対して自分の能力や時間を含めたリソースを全投入して圧倒的な成果を上げる社員です。会社にとっても貴重な存在で、当然出世していきます。

このような優秀な人材がスタッフの時はまだいいのですが、課長、部長、役員と出世していく中で、部下を使って仕事をするようになります。

優秀な管理職の全員が全員ではありませんが、一部の優秀な管理職は部下のリソースを限界まで使って成果を上げようとします。

さらに優秀な管理職の中の一部には、優秀であるが故に自分の中で仕事の進め方のストーリー展開が決まっており、部下がそこから外れる事を許さない困った管理職がいます。またそのような上司に限って完璧主義者です。

いわゆるマイクロマネジメントですが、例えばAという目標達成をする方法はいくつもあり、部下はBという方法で目標に向かっていきたいと考えているのに、Cという方法しか許さないというマネジメントをします。僕もそのような上司に当たった時は本当に辟易したものです。

人間は自分の裁量や判断を封じられた時に最もストレスを感じる生き物です。例えば長時間労働をしていても、自分の判断や裁量が確保出来ていれば人は意外に病みません。

上司のマイクロマネジメントにより、自分の判断を封じられ、そこに叱責や長時間労働が重なると人は容易に病みます。

パワハラ問題がなくならないのは、このタイプの上司が手段は何であれ成果を出していると言う事です。部下にとっては厄災以外の何者でもない上司であっても、会社側はありがたい存在と考え続けている場合はパワハラはなくならないと思います。

身体的な暴力やあからさまな暴言はおそらく減ってきていると思うのですが、このように部下を疲弊させて成果を出すやり方にはNOという時代になってきたのだと思います。会社側は問題だと思っていても成果を出しているので見て見ぬふりをせず、成果を出している優秀な管理職は今一度自分のマネジメントスタイルを見直して頂きたいと思います。