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さぷログ

メーカーの人事部門で働いています。

じゃあ「働くおじさん」ってどんな人?

最近「働かないおじさん」のネット記事をかなり見るような気がするのですが、「働かないおじさん」の記事を検索しまくっていたらどうやらグーグル先生に覚えられてしまい、「働かないおじさん」の記事をリコメンドされ、さらにそれを見るからリコメンドされるという不毛なループに陥っているような気がしないでもない訳ですが、それくらい日々記事が書かれているという事実があるのだと思います。

しかし、僕の知る限り「働くおじさん」の記事は恐らく1回も見たことがありません。

「働かないおじさん」は主に大企業にいて、最近だと業績好調のキリンビール朝日新聞も45歳以上の社員をリストラ対象としていて、バブル入社組が嫌いで嫌いで仕方ない氷河期世代ど真ん中の僕には吉報な訳ですが、「働くおじさん」をフォーカスする事によって「働かないおじさん」がより逆照射されて輪郭をクリアに出来るのではないかと思うのです。

さて「働くおじさん」の代表格はなんと言っても社長です。おじさんと言ってしまっては申し訳ないのですが、社長にはお許し頂きたい思います。

弊社の社長は15分単位ぐらいで打合せが入っていて、おそらく打合せの1つ1つが重要な決定を求められる内容でしょうから、相当しんどいだろうなと一社員として思います。

また以前、ほぼ一年先の社長のスケジュールを半日抑えようとしたら、ピンポイントで1日しか空いておらず、驚愕した記憶があります。

夜も夜で会食だらけでしょうから、ストレスマックスなんだろうなと思います。顔もわれてる訳ですからコンビニもおちおち行けないでしょうし、偉い人は大変です。

社長程ではないでしょうが、各本部の本部長クラスの役員も忙しい訳で、ある人から聞いた話ですが、役員に相談事をメールしたら返信が一言「で?」だったと言ってました。

おそらく、半端ない量のメールを確認してるでしょうから、それくらいの返信になるんだと思いますが、受け取った方は複数案提示しつつ、これにします。とか書いて返すしかないのではないかと思います。

その次に忙しいのはラインの管理職でしょうか。部下には残業させられないし、パワハラと言われないように気を付けないといけません。また、弊社も大企業にありがちなオーバーサーベイ、オーバーコンプライアンス、オーバープランニングの三本柱を堅持してますから、特に仕事のできる課長クラスは疲弊しきっています。

つまり、社長以下、役員、ラインの部長、課長は忙しい訳です。会社は2割の出来る社員が引っ張っているといいますが、まさにこの人達は「働くおじさん」な訳です。

さてここから逆照射されるのは、部下のいないいわゆる「スタッフ管理職」と呼ばれる人達になります。担当課長とか、担当部長と呼ばれる人達ですね。

管理する部下がいない管理職とは言語矛盾も甚だしいのですが、この方々は大企業にはうようよ生息しています。特に本社に大量にいますね。

出世競走から外れたものの、終身雇用と降格制度があったとしても有名無実化してるためのキャリアの隘路な感じで、そもそも仕事が出来たらラインの管理職になっている訳でありますから、マネージャーとしては落第だし、スタッフとしての仕事も今更やる気がないという厄介な人材である訳です。

また、今の50歳は丁度バブル入社組がど真ん中に当てはまっていて、彼らは会社には忠誠を誓っているものの、社内政治をしてれば上に上がれた世代なので、あまり勉強をしませんし、社外の事には本当に無知だったりします。

ようするに「働かないおじさん」は、身も蓋もないいい方をすると、出世競走から脱落した仕事が出来ないおじさんな訳ですが、企業側もそんな人間を70歳まで面倒見る気はさらさらないので、最近のリストラ報道があるのだと思います。

異常値は標準に回帰するという統計の格言がありますが、給料に対してリターンがほぼ無いか極端に低い担当課長殿や担当部長殿の待遇はリストラか降格で落ち着く所に落ち着くのではないかと思います。

とはいえ会社がこういう方向に舵を切ったとしたら、自分も明日はわが身な訳ですが。