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さぷログ

メーカーの人事部門で働いています。

みずほ銀行に金融庁激おこの件

さぷさんです。みずほ銀行システムトラブルウォッチャーです。

さて、本日の日経新聞記事に金融庁みずほ銀行のシステムを直接管理するという記事を見てびっくり仰天した訳ですが、野球に例えると審判が審判の役割を持ったまま自分のチームの監督兼もしかしたらプレイヤーも兼務かもしれないという絶望的にみずほ銀行に主権がない状態が爆誕したと思います。

みずほ銀行のシステム、金融庁が管理へ 異例の行政処分日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB219WX0R20C21A9000000/

金融庁は週内にも、ATMなどの障害が多発するみずほフィナンシャルグループみずほ銀行に対し、異例の行政処分となるシステムの「管理命令」を発動する方針だ。年内いっぱいをメドに、同行が進めるシステムの更新作業や保守業務を共同で管理し、必要に応じて運営体制の見直しも命じる。金融当局がシステム運営を直接監督することで障害再発を最小限にとどめ、金融システム不安への波及を防ぐ』

金融庁としても、これだけ指導しているのに7回もトラブル発生させてしまったので黒崎検査官でなくても組織のメンツに関わる問題ですから、銀行法26条にある「その他監督上必要な措置」を使って、システム運営を直接監督すると言うことですが、銀行法26条を実際に読んでみますと、財務上の問題が生じた時の業務停止が主たる目的のようですので、法律とは解釈の幅を広く取れる作りにしておくべきだと言うことですね。

さて、みずほ銀行の完成したサグラダ・ファミリア教会こと勘定系システムMINORIですが、2019年7月から稼働しているということですから、現時点でカットオーバーから2年2ヶ月ほど経過したということになります。

MINORIのシステム障害が発生したのが今年の2月ということは、稼働から1年半後を経過した後に障害が多発したという事になります。

システム障害は大きく分けて以下のパターンに分けられると思います。

①仕様のミス
②仕様は正しいが、プログラムのミス
③仕様上想定外のデータのインプットや想定外の条件の重なり
④想定時間に処理が完了しなかったことによる後続処理の停止、またそれに伴う異常終了
⑤ハードウェア故障

上記の①②はカットオーバー前のテストで徹底的に潰しますし、③については少なくともMINORIが1年半稼働する中で、レアケースを7回立て続けに踏んだというのも考えにくいと思います。

そうするとやはり④⑤あたりが原因ではないかと思うのですが、これらは運用で回避できる内容です。

日経新聞の記事では金融庁MINORIのシステムそのものの欠陥に疑念を抱いているという話ですが、公開情報を客観的に見てみると運用でやらかしているという印象です。

ただ、バックアップのシステムがことごとく動かなかったというトラブルについては設計ミスがあるかもしれません。

頭に血がのぼっているときは全てが悪く見えてしまうかもしれませんが、そういう時ほど事実ベースで冷静な分析と対応をすべきだと思います。

雑記20210917

さぷさんです。44歳のおっさんです。2回目のワクチン接種で副反応が出ず、己の免疫系が心配されております。

見える化の残酷さ〉
僕のブログはだいたい1日バラツキはありますが、10〜30アクセスくらいです。最近なぜか午前10時頃にアクセスが20くらいいきなり増えるのですが、グーグルアナリティクスには反映されてないので多分不具合だと思うのですが、そうするとアクセス数はもっと減ることになります。

そんな中で、例えば今日のアクセス数が20くらいあったとして、「今日は投稿したからかなー」とか漠然と思っていたのですが、現実は残酷でした。

グーグルサーチコンソールでエントリ毎の検索ワードや流入経路が分かるようになったのですが、僕の約200ほどあるエントリのうち、多く読まれているのは特定の2エントリだけで、最新のエントリに至っては閲覧数5とかでした。5名の皆様におかれましては本当に感謝しかありません。

僕はSNSをやっておらず、ブログを読んでもらう努力をほぼ放棄している中で、グーグルの検索でたまたま上位に表示されるのが2エントリあるという現実でして、パレートの法則がまさか自分にも当てはまるとは露とも思っておらず、一年以上前のエントリを超えられない自分にがっかりしました。見える化はかようにも残酷です。

見える化といえば〉
うちの長男は中1でして、思春期真っ盛りの難しいお年頃なのですが、いまはクラス40名のうち、20名が登校して、20名がオンライン授業というなかなかハイブリッドな形態で中学校の授業を受けているようです。

この前僕が在宅勤務で長男もオンライン授業だった時に、長男がマスクを付けて部屋を出てきたので、「これから学校なの?」と聞いたところ、オンライン参加者の生徒20 名も全員マスクをしていると言うことでした。

なんでまたそんなおもしろ状態になってしまったのかと思うわけですが、僕も在宅でオンライン会議をしていると、なんか見た目がさえないおっさんが映っている訳ですから、容姿とかはもう全然気にしてないとはいえ、自分の顔が気にならなくもない訳です。

おっさんでも自分の見た目が気になる訳ですから、多感な中学生はもっとだと思います。確かにおしゃれマスクをすると顔がシュッと見えたりしますので、そういう意図でオンライン授業にも関わらずマスクをつけてしまっているのではないかと思いますが、ただでさえ父親とコミュニケーションを取ってくれなくなってきているので長男本人に確認が出来ません。

〈そんな長男との心温まるやり取り〉
どうも長男のクラスでスマホを持っていないのは長男含めて2〜3人らしく、日本の中学生の親たちは何をしているんだと憤りを覚えつつ、コロナで友人とも会えない中で、LINEが出来ないのもつらいという気持ちがわからなくもないのです。

ある日長男が「iPhoneがほしい」と言ってきたので、「スマホで中学生がやるのは、SNSYou Tube視聴と無料ゲームくらいでしょ」「その程度でハイスペックなiPhoneがほしいとかいうのは使用用途とスペックが釣り合ってなくて、iPhoneが欲しいって言うのは要するに見栄で、イキりたいだけであって」「見栄でイキりたいと言うのは突き詰めると女の子にモテたいだけだけであって」「お父さんも中学生の頃は頭の9割が女の子で、残りの1割が自己承認欲求だったけれども」と言ったら益々口を聞いてくれなくなりました。

〈自己承認欲求について〉
僕の自己承認欲求はそこまで拗らせずにそれなりに落ち着いて来たとは思うんですが、デジ絵を描くようになってから、どうしても他人に見て欲しくなってしまうので、SNSは二度とやらんという禁を破ってPIXIVに絵をアップしています。(萌え絵のデジ絵を描いてるというのは家族には口が裂けても言えません)

で、閲覧数は100とか200くらいで、いいねも大体10個とかなんですけど、試しにちょっとセンシティブな絵を描いて投稿したらいつもの10倍位の閲覧数といいねが付いた訳です。

見てもらえないより見てもらえる方がよいのか、閲覧数が少なくても己の道を歩むべきか悩むところです。

よく発言が炎上してしまうYou TuberやSNSがありますが、あれは自分で言っているのは間違いないですが、フォロワーに言わされているいう側面があると思うんですよね。いいねとかリツイートでどの発言がウケるかすぐにわかる訳で。

まあ人気商売だとフォロワーに迎合しないといけない部分があるんでしょうけど、他山の石にしたいところではあります。

こちらからは以上です。

ファミマの無人店1000店は生産性向上なのか?(2021/9/11日経新聞朝刊)

さぷさんです。ファミチキ大好きです。

さて、本日の日経新聞の一面は以下の記事でした。

ファミマ、無人店1000店 通常の品数維持 : 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75676840R10C21A9MM8000/

ファミリーマート無人コンビニエンスストア店舗を2024年度末までに約1000店出す。通常店舗と同様に約3000品目の扱いが可能だ。本格的な無人店の大規模展開は日本で初めて。これまでは店舗に人の常駐を求める規制が足かせになっていたが20年にルールが緩和された。人口減少で日本の人手不足は今後深刻さを増す。デジタル技術で事業運営を効率化する動きが広がる。」

という記事でして、記事の中には生産性向上という文字は見当たらないのですが、見出しのリード文に「小売の生産性向上」とありまして、本当に生産性向上なのだろうかと思いましたのでその事について書いてみます。

ファミリーマートの日販は平均49.3万円だそうです。ちなみにセブンイレブンは日販65.6万円でぶっちぎりの一位です。

売上におけるコスト構成は分からないのですが、飲食業ですと人件費、家賃、仕入れがそれぞれ3割づつというのが理想と言うことを聞いたことがありますので、それを流用させて頂くとするとファミマの人件費はざっくり1日15万円くらいになります。(人件費は地域とか業界平均で決まってきますので、あくまで簡単な推計です)

基本的にコンビニは飽和しており、日販は平均額に留まるとすると約50万円ですが、無人店舗にすると採算が取れなかった地域への出店が可能になるという事なので、そのような地域は日販が3割程度低いとすると35万円になります。

人件費については、完全に無人店舗だとすると先程試算した15万円が不採算地域の日販の金額を埋めますので、計算上は新規出店が可能ということになるのかなと思います。

これから2年半くらいかけて1000店舗出店する計画のようですから、35万円×365日×1000店で1300億円の売上増加が見込めます。

ただ、出店コストは約2割高く、新たな管理コストも発生しますのでどれだけ優良な商圏を持つ従来の不採算地域を確保出来るかにかかっていると思います。

また、首都圏でしたら家賃は高額になりがちですし、地方ですと50m先のコンビニにも車で行くような車社会ですから、地方の不採算地域にファミマが出来たとして、そこのファミマに行くようになると、従来足を伸ばしていたコンビニに行かなくなるだけですので、消耗戦は続くのではないかと思います。

生産性は様々な指標がありますが、一番シンプルなのは投資のインプットに対する売上のアウトプットです。

ファミマの無人店舗の取組はこのインプットのうちの人件費を減らせるという所がポイントで、日本人がコンビニで使う金額の上限が増える訳ではありませんから、他社コンビニからお客さんを奪うということは出来るかもしれませんが、日本の消費自体が縮小している中ではコンビニ業界の争いがさらに苛烈になると言うことになると思います。

繰り返しになりますが、今回のファミリーマートの取組はインプットの分母を減らして今まで出店してこなかった地域への出店を可能にするものの、業界自体は伸びていないので消費者の財布の中身の奪い合いが激化するという構図だと思います。

ですので、上で1300億円ほどの売上増加と書きましたが、それは既存のファミリーマートを含んだコンビニやスーパーからのスイッチになりますから、win-winではなく、ゼロサムゲームになると思います。

話は全然違いますが、シン・エヴァンゲリオンは前作から9年かかってようやく公開されましたが、興行収入は102億円なので、インプットに対するアウトプットという意味では生産性が高いと思います。

全体のパイが増えない中でのインプットを減らすことによる生産性向上と、成長市場を作り出すという意味の生産性向上は全く違うと思うのですが、日経新聞は何かと生産性向上と言いたがるのでちょっとなあと思いました。

そういう意味でここからは蛇足ですが、今回の記事本文では生産性向上という言葉は使われておらず、厚生労働省規制緩和無人店舗に関する技術、出店戦略などについて書かれているのですが、担当記者の思いとデスクの意向が微妙に異なっていたのかもしれず、そういう事を考えて読むのも楽しいですね。

ホロメンの新衣装はなぜ私服化していくのか

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さぷさんです。上の絵は僕が描いた姫森ルーナさまです。最近は忙しくてホロライブをなかなか追えなくなってきましたが、いくつか気になっていることを書いてみたいと思います。

 

<ホロメンの新衣装はなぜ私服化していくのか>

ホロメンの新衣装のお披露目は同時接続が数万単位で、記念スパチャが飛び交う狂乱の場ですが、ほぼ全てのホロメンの新衣装は私服化していく傾向があります。

デビュー当時だと姫森ルーナさまはお姫様衣装でしたし、全てのホロメンはほぼ何かしらのコスプレでデビューするといっても差し支えないと思います。(星街すいせいさまや大空スバルさまや常闇トワさまなどは最初から私服風ですので、一部例外の方はいらっしゃいますが)

ですのでなぜ、ホロメンの新衣装が私服風になっていく傾向があるのかという事について少し考えてみたいと思います。

まず、上にも書いた通り、デビュー当時はお姫様衣装でしたり、宝鐘マリンさまの海賊衣装、白銀ノエルさまの騎士衣装というように、気合の入ったコスプレ感満載の衣装が実装されることが多いと思うのですが、白銀ノエルさまに至っては新衣装で思いっきり普通の私服で、騎士の面影がほぼ一切なくなっていました。僕の白銀ノエルさまのイメージは落ち着いたおねえさんという感じです。

白銀ノエルさまは一番分かりやすい例かもしれませんが、おそらくこういくことなのだと思います。

つまり、コスプレというのは(今は新型コロナで開催されていないと思いますが)コミケなどのハレの日でバッチリメイクをしたうえで披露する衣装だと思います。

コスプレはハレの日に着るからよいのであって、毎日コスプレというのはおそらく気持ち的に相当疲れるのではないかと思います。ホロメンもデビュー時はある意味毎日がハレの日ですが、中の人が配信業として慣れてくるに従い、デビュー当初のコスプレ感の強い衣装に違和感を抱いてくるのではないかと思います。

つまり、バーチャルYouTuberとしての外見と中身の不一致を解消したいという意識が、新衣装の私服化の傾向であると思っています。

 

<リアルなアイドルになりたかったのか>

僕は当初、バーチャルYouTuberの中の人たちは、リアルなアイドルになりたかったのではないかと思っていたのですが、どうもそれは完全に的外れでした。

彼女たちは「プリキュアになりたい人生だった」という多くの少女の夢をある意味リアルで成し遂げてしまった人たちであり、二次元(3D含む)キャラやアニメの世界観をこよなく愛しているという方々でした。

例えば、天音かなたさまは他のホロメンの3Dライブのスクショをひたすら貼り付けたツイートを連投するオタクムーブが有名ですし、さくらみこさまや角巻わためさまは、みこおじ、わたおじなど、他のホロメンを見る視点がおっさんそのものであるためについた呼び名など、本当に好きなんだろうなと思います。

 

<そろそろ出てくるであろう高学歴ホロメン>

ホロメンの配信を見ていると、結構漢字をお読みになれない方が多く、読み方をひらがなで伝えるコメントが多数流れるという優しい世界が繰り広げられている訳ですが、まだ海のものとも山のものともつかなかった時にバーチャルYouTuberの世界に飛び込んでこられたのは相当勇気がある方々だったと思います。

僕も以前ITベンチャーにいたことがあるのですが、ITなのに元パティシエでしたりとか、元アパレルの販売員の方など、何か新しいことをやってみたいというイノベーティブな精神あふれる方がいらっしゃいました。

このITベンチャーも急成長のする過程で、かなり有名になり、急激に高学歴化していきました。

ホロライブもかなりの知名度とブランド力を備えてきた中で、6期生がデビューするかどうかは不明ですが、もしデビューするとしたらかなりの高学歴層であり、尚且つピアノが上手いとか、英語がしゃべるなどのホロメンがメンバーになる可能性が高いと思っています。

僕の理解だと、企業はカリスマ的な創業者、個性的な創業メンバー、優秀な若手社員の3層構造が成立している時が一番勢いがあり、そのうち優秀だけれども保守的な社員が大勢を占める中で勢いがなくなっていくと思っていますが、エンタメ業界はさらに栄枯盛衰が激しいですから、ホロライブの会社の構造がこのようになる前に、新たなエンタメの登場などにより、今の勢いが衰退するかもしれません。

 

<すべてのジャンルはマニアが潰すはあてはまるのか>

木谷高明氏の名言、「すべてのジャンルはマニアが潰す」はホロライブやにじさんじをはじめとするバーチャルYoutuber界にも当てはまるのでしょうか。

つまり、「〇〇も知らずにでしゃばるな」「お前ら浅いんだよ」みたいな古参が新参者を阻む行為ですが、そもそもバーチャルYouTuberに対してはアクセスが容易でスイッチングコストが非常に低い(基本的にはYouTubeの視聴有無のみ)ですから、古参が新参を排除したとして、新参でも押しやすいバーチャルYouTuberにスイッチするだけになるような気がします。

バーチャルYoutuberとファンは共存関係ですから、どのような雰囲気をつくりだすかというバーチャルYoutuber側の姿勢が大切だと思います。

例えば、お決まりのコールアンドレスポンスがあったとして、それに対して「どういう意味なんですか?」という質問コメントがあった場合は、ホロメンがそれを拾って丁寧に答えるということをしていると、新参者も入りやすい雰囲気になると思います。

ですので、ジャンルそのものの衰退というよりも、活動歴が長くて固定ファンがついているバーチャルYoutuberは、フォロー数が伸び悩むケースと伸びるケースの両方があるのではないかと思います。

ただ、栄枯盛衰が激しいエンタメ業界ですから、ハロプロもAKBも最盛期の勢いには程遠い中で、別の全く新しいアイドルコンテンツが出現した場合は、同じ道をたどるかもしれません。

 

新型コロナウイルス感染症の影響は>

未だ収束しない新型コロナウイルス感染症ですが、スペイン風邪は3年くらいで終息したようなので、それを参考にするとあと1年ちょっとで収束するかもしれません。

あきらかにホロライブやにじさんじはコロナ禍における在宅時間のエンターテイメントとして秀逸です。

配信時間が数時間になるケースも多く、真剣に見ているというよりも、とりあえず配信を流しておくというケースも多いのではないかと思います。

バーチャルYouTuberの収益の源泉は、視聴者数×視聴時間に比例しますから、コロナ禍における視聴時間の増加というのは、コロナ終息後には確実に減ります。

また、本来であればリアルのイベント等に使用していたお金がスパチャ等に流れているかもしれず、いずれ適正規模に戻ると思います。

ですので、カバーやANYCOLORにおかれましては、来るべきアフターコロナに備えた投資や新規事業の検討が必要に思います。

 

こちらからは以上です。

コクヨの社員の能力を引き出すオフィスは成功するのか

さぷさんです。学生の頃企画職につきたいとぼんやり考えていましたが、いざ企画職になると勉強しないといけないし、偉い人に話を通さないといけないし、現場からは反発されるし、大変だと感じている次第です。

さて、2021/8/26付けの日経新聞の朝刊に以下の記事がありました。

コクヨ、行動歴で職場変革 社員1000人の意欲も計測
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO75123240V20C21A8TB2000/

「文具大手コクヨは自社社員1000人の働き方データを分析し、社員の能力を引き出すオフィス設計に取り組む。2022年度にも企業向けサービスとして提供する。設計はこれまで感覚頼りだったが、行動履歴や意欲などを測り、成果が出やすい職場をデータで示す。テレワークの普及で本社の移転・縮小が増えるなか、コロナ後の新しいオフィス像を追求する。」

だそうです。コクヨはオフィス家具とオフィス用品の通販が主力事業で全体の売上高の8割強を占めるそうです。

弊社も本社の出社率が現在3割程度ですので、ごく単純に考えるとオフィスの什器が7割不要になる中でコクヨさんの危機意識はとても強いと思います。

なんでもコクヨさんの社員1000名が実験台となり、スマホを常に持ち歩き、各フロアの机などに設置されまくったビーコンが行動を把握してビッグデータにしつつ、月に1回エンゲージメントテストをする事で充実している社員の傾向やそうでない社員の傾向を明らかにするそうです。

個人的には新たな取組は是非否定せずにチャレンジしたほうがいいと思っていますが、この取り組みで心配な点や気になる点があるのでその事について書いてみたいと思います。

このような社員のパフォーマンス計測のご先祖はフレデリックテイラーの科学的管理法だと思うのですが、確か工場で工員の作業時間を計測したところ、それがインセンティブとなり、作業時間が計測時は早くなったといういうようなエピソードを本かインターネットの記事で読んだ記憶があります。

つまりどういうことかと言いますと、人に見られているというだけで行動に変容が現れる可能性があると言うことです。

1社員の立場から言いますと、自分をローパフォーマーと見られたくがないために無駄に他部署に顔を出したりして迷惑がられる可能性があります。

また、常時スマホを持ち歩かないといけない訳ですが、行動を監視されたくないが為にわざと自席にずっとスマホをおいたままにする社員もいるかもしれません。

あと気になるのが、オフィスの行動のみをビッグデータにしようとしているため、パソコンでやりとりしているデータは判断に使用できないと言うことになります。

ですので、優秀な社員であってもメールのやり取りを好む社員もいれば、フットワークが軽い社員もいるため、オフィス空間の行動とパソコンの使用の両方を分析しないと有効な結果が導き出せない気がします。

また、例えば弊社の超優秀で尊敬している先輩がいるのですが、どうしても通したい案件があった時に、担当役員の出社時間を確認し、朝偶然合ったようにみせかけ、エレベータートークで事前の了承を取り付けたというエピソードを教えてくれたことがありました。

極端かもしれませんが、このような行動は執務フロアにビーコンを置いているだけでは把握する事が出来ません。

あと、実証試験が自社社員1000名というのもやや少ないような気がするのと、優秀な社員とローパフォーマーの社員の行動の傾向を把握すると言う意味ではノイズを拾ってしまう可能性と、逆に有効な行動の見落としの可能性があり、パラメーターの調整は大変だと思います。

個人的には優秀な社員は在宅だろうがアウトプットを出すという身も蓋もない結論になりそうな気がしないでもないですが、2022年にサービスイン予定だそうなので続報を興味深く待ちたいと思います。

みずほ銀行のシステム障害(3日ぶり今年6回目)

さぷさんです。みずほ銀行のシステム障害が止まりません。

みずほ銀行、ATM130台一時使えず 今年6回目の障害:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB235AT0T20C21A8000000/

上記記事によると今回は以下のトラブルだったようです。

みずほ銀行は23日、ATMの一部が昼すぎから一時使用できなくなっていたと発表した。ネットワークが不安定になったのが原因とみられる。全国で最大130台が一時使えなくなったが、午後1時半ごろまでに復旧した。通帳やキャッシュカードの取り込みはなかった。(中略)入出金の途中にATMが止まり、預金の引き出しなどができなかったケースが8件あったが、復旧後に手続きを終えたという。」

ネットワークが不安定だったということです。おそらくATMは専用線だと思っていたのですが、専用線のネットワークだとすると原因は回線事業者ですから、この記事の内容を信じる限りはみずほ銀行の基幹系のトラブルではない可能性が高いと思います。

以前、三菱自動車の燃費の不正問題が大きく取り上げられた際に、三菱自動車のエンジンが燃える事故が発生したというニュースが多く流れた時期がありました。

自動車のエンジンが燃える事故は三菱自動車に限らず発生するらしいのですが、めずらしいものではないようなので、日頃報道されることはありません。

しかし、当時の三菱自動車は相当バッシングされていたのでニュースバリューがあり、報道されれる事が多かったと理解してます。

この6回目のみずほ銀行のトラブルは、MINORIの一連のトラブルに近い内容なのか、そうではないのか、このような時期だからこそ冷静に判断する必要があるように思います。

みずほ銀行のシステム障害の考察

さぷさんです。僕のブログでたまにアクセス数が通常の3倍くらいになるときがあるのですが、以前書いた「みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史」の書評を読んで頂けるようで、昨日もブログのアクセス数が急に増えたのでなぜだろうと思ったところみずほ銀行のシステム障害でした。

みずほ、再発防止つまずき 5度目障害も顧客へ周知遅く:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB203EI0Q1A820C2000000/

みずほ銀行を擁護するつもりはありませんが、今まで発生したシステム障害とは別のシステム障害のようです。会見もみずほFGの坂井社長とみずほ銀行の藤原頭取が行ってましたので、金融庁の激おこ案件ですから当たり前といえば当たり前ですが、みずほ銀行内でのシステムの優先順位は確実に上がっているとは思います。

今回のトラブルは機器の故障により、全国のおよそ450ある店舗で窓口での入金や振り込みなどの取引が一時できなくなったということですが、仮にその日中に振込がないと資金ショートにより苦境に陥ってしまうケースが発生するかもしれず、再発防止策を実行中のみずほ銀行にとってはかなりの痛手です。

また、みずほ銀行の以下の対応が批判を呼んでおります。(上記の日経新聞の記事から)

「障害が起きたのは前日19日の午後8時57分。夜間に復旧作業し、20日の開業までの復旧を目指したが間に合わず「開業に間に合わないと分かった時」(藤原弘治みずほ銀行頭取)として、20日の開業30分前の朝8時半にホームページにお知らせを掲載した」

と言うことで、今の企業不祥事やトラブルなどはまず事案発生をいち早く公表し、適宜2報、3報を発信するといった情報の早期公開が求められる傾向がある中で、これ以上トラブルは出せないというプレッシャーがある中で担当者は徹夜で最後まで頑張ったとは思いますが、復旧が間に合わなかったいう事だと思います。

結果論ですが前日のうちに公表していれば、当日窓口で入金処理ができないと言うような事にはならず、例えば他の金融機関から手続をする言う判断をする事が出来たかもしれません。

今回は機器の故障のようですが、勘定系のようなミッションクリティカルなシステムは冗長性が確保されていると思います。

ただ、窓口業務のシステムという事ですので、営業時間以外は入金のインプットデータが発生しないという特性を考慮すると予備のサーバはホットスタンバイではなったかもしれません。

一般的な話ですが、オンプレミスでシステムを構成する場合、メインサーバのトラブル発生を考慮して予備サーバやバックアップの取得は行います。

そして本来であればBCP訓練として、メインサーバが何かしらの理由で止まったことを想定して、予備サーバの稼働だったり、またはメインサーバの再起動とロールバックの上で差分トランザクションデータの再更新などを行うような訓練が必要なのですが、かなりの負担となる訓練ですのでなかなか行われる事がありません。

MINORIの稼働から約3年が経過する中で、もしかすると機器の故障が出始める時期になりつつあるかもしれませんが、三菱UFJ銀行や三井住友銀行、及び他の金融機関においてもこのような話は聞かない中で、勘定系システムへの人・モノ・カネのリソース投入が単純に足りておらず、対策実施の道半ばによるトラブルであると思います。

金融庁の指導もある中で、経営陣のマインドセットは確実に変化しているとは思いますが、効果が出るのはまだ先である中での事故であったのではないでしょうか。

また、今回のケースでは情報開示のタイミングという課題が計らずもあらわになりました。初動対応に失敗すると軽減できたかもしれない実害や企業イメージが著しく悪化するという事例として、今回のみずほ銀行の5回目のトラブルはあらゆる企業が参考にしたほうがよいように思います。