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さぷログ

メーカーの人事部門で働いています。

大企業はオワコンという人はカルビーのポテチを食べるのか?

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※イラストと本文はかなり関係があります

カルビー株式会社は連結で3,763名、2020年3月期の売上1921億円、創業1949年のどこからどう見ても正真正銘の大企業です。

よくネットを見ていると「大企業はオワコン」という過激な言説を唱える方々がいわゆる界隈系に多くいらっしゃる気がするのですが、上記の通りカルビーは大企業です。

カルビーのポテトチップス」「じゃがりこ」「Jagabee」などはナショナルブランドですから、置いていないスーパーやコンビニ、ドラッグストアを探す方が大変です。

「大企業はオワコン」という方々はカルビーのポテチを食べるのでしょうか。なんてったってオワコンですから。あ、「フルグラ」もカルビーですね。

でもって僕が一番好きなコンソメパンチはネットで見る限り60グラムで100円くらいで売ってたりします。

一方、マツコの知らない世界で有名になった菊水堂さんのポテトチップスですが、ネット販売を見る限り、120グラム×12袋で3600円です。単純に計算すると60グラム150円になります。しかも大人気なのでネットの予約販売になっています。カルビーの1.5倍のお値段ですね。

菊水堂さんは詳細な会社情報は非公開のようですが、会社規模はそこまで大きくないのではないかと思います。

繰り返しになりますが、「大企業はオワコン」と仰っている方は、カルビーはオワコンな訳ですから、菊水堂さんのポテトチップスをネット予約して購入されている事と思います。

この大企業とはそもそも一体何なのか、端的に言いますと規模の経済を成立させていると言う事です。また、アダム・スミス国富論の中で喝破したように、分業体制が確立されていると言う事でもあります。

つまり、北海道の契約農家と良好な関係を継続してじゃがいもを調達してる購買の方、じゃがいもは恐らく季節や年度によって水分の多さや大きさにバラツキがあると思いますが、工場で一定の品質に保っている生産技術の方と現場の方、ロジスティクスの方、人事、経理、法務等のバックオフィスの方がそれぞれしっかり分業されているので、日本全国で安価で美味しいポテトチップスを食べる事が出来ている訳です。

繰り返しますが、規模の経済と分業があるお陰で私達の生活のかなりの部分が便利になっているのは間違いありません。

ただ、巨大組織を維持するというのはそれだけで労力がかかるものです。人材が最適配置されていなかったり、マネジメントになるべきでない人がマネージャーになっているケースも残念ながら多くあると思います。

しかしそれは、組織マネジメントとして解決すべきであって、全ての大企業を十把一絡げにしていきなりオワコンというのでは思慮が浅すぎると言わざるを得ないという事です。

おそらくは、「大企業はオワコンであってほしい」または「大企業はオワコンであるべき」という、きわゆる界隈系の方々の祈りといいますか、呪いのようなものだと考えています。

情弱ビジネス界隈とオウム真理教の類似性はいろいろな方が言及されているようですが、「大企業はオワコン」というのは終末思想の派生系のひとつだと考えます。

なので、情弱ビジネスは信者ビジネスだと言われてもいますが、「大企業はオワコン」とインフルエンサーがいうのは、「世界は破滅する」と新興宗教の教祖が予言しているのと相似形をなします。

これは機会があればまたエントリーを書きたいと思いますが、話を戻します。メーカーは規模の経済が働きやすく、長期的かつ計画的に仕事を進めなければならないのでフリーランスやギグワーカーとは相性が悪い分野であると考えます。

一方、ウーバーだったり、ウェブデザイナープログラマーコンサルタントや研修講師など、一人で完結する仕事については確かに大企業である必要はないかもしれません。

ただ、それでも仕事規模が徐々に大きくなってくると管理コストが増大し、分業の有効性が生じてくるものです。

また、フリーランスであっても、仕事を大企業から受注しているような場合もあると思います。

ですのでそれぞれの得意分野で棲み分けしたらいいんじゃないかと思うのですが、繰り返しになりますが、「大企業はオワコン」という人は菊水堂さんのポテトチップスをネット予約購入する気概を持って頂きたいと思う次第です。

こちらからは以上です。