Search Console

さぷログ

メーカーの人事部門で働いています。

会社における謎マナーを推進するのは誰なのか

さぷさんです。最近毎日ブログを更新していますが、量の増加は質の低下を招くことが一般的なのでドキドキしています。

さて、以下のブログエントリを見まして、これは弊社のことを言っているのかしらと思いました。

「過剰なビジネスマナーが存在する組織」はたいてい、停滞している。
https://blog.tinect.jp/?p=64938

僕は今3社目ですが、それぞれの会社で外部から見るとおかしなルールはある訳です。

1社目のシステム会社では朝は必ず支店長席に挨拶が必要でしたし、2社目のITベンチャーではエラい人の誕生日は何かサプライズをやらなければならなかったですし、今のメーカーでは社員に対して「○○様」とメールの宛先に書いて送る訳なんですよね。それぞれの会社では至って普通のマナーだったりします。

上記のエントリでは大企業の「謎マナー」について「少数決原理」が理由ではないかと考察されています。

「少数決原理」をあえて単純化して言いますとノイジーマイノリティによる専制であると言えるのではないかと思います。

本当に誰にとっても全く意味のないマナーであればとっくに廃れていると思いますが、誰かにとってはメリットがあるから「謎マナー」が続いている訳です。

話は少し変わりますが、ビジネスパーソンには2通りの人種がいると思っています。「何かを成し遂げたい人」と「何かになりたい人」です。

この両方に当てはまる人もいると思いますが、ここでは話を単純化します。

「何かを成し遂げたい」人はお客さんの困り事の解決や業務フローの改善、無駄な固定費の削減など、やりたい事が明確です。

一方で「何かになりたい人」は、早く管理職になりたい、部長になりたい、役員に登用されたいなど、立場にこだわる人です。

後者のタイプはライバルに対してあの手この手で邪魔をしてきますし、将来ライバルになりそうな若手や中堅は手懐けようとするか早めに潰します。

この「何かになりたい人」というのが大変厄介でして、だいたいこういうタイプは上にはいい顔をするのでそこそこ出世する中で、実務が出来なかったり(そもそもやる気がなかったり)しますから、堅実なタイプを支配下におこうとします。

また、他部門に対しては威圧的な態度と友好的な態度を使い分けます。

「何かになりたい人」は立場が第一ですから、自分の立場を侵害されて不愉快であるという態度を出しやすいと言えます。

つまり謎マナーを強要する側のメリットはここにあります。「私はマネージャーで、貴方は一介の担当にすぎないのだ」「この権限は全て私の一存で決まる」というのを事あるごとに証明しないと気が済まないといいますか、本質的な実力はないために不安で仕方ない訳です。

また、終身雇用がまだ行われている企業の宿命として、その人が無能になる階層までは出世することが可能です。

例えば課長時代まではぎりぎり成果を出していた社員が部長に登用された場合、その人の能力は課長で打ち止めだった訳ですが、無能な部長が誕生します。これはあらゆる階層で発生する事象です。

ごく稀に無能ですがやたら声が大きくて影響力があったり、先代の社長がお気に入りで威張ってたりするような場合に、組織的な復讐として明らかに本人に荷が重すぎる役職を与えて失敗させて閑職に追いやるという位打ちのような復讐人事が行われる事もありますが、数は多くはありません。

逆に本当に実力があって、「何かを成し遂げたい人」はこのような事はしません。

「何かになりたい人」は、大体2階層上くらいに取り入ってこの世の春を謳歌しますが、取り入った人が退職して、当時被害にあっていた人が偉くなりだすと仕返しをされますから、長期的には惨めな事になります。

よくお笑い芸人がテレビ局のADをいじめていたのが、そのADがしばらくして出世してその芸人は使わなくなって干されるというアレと同じですね。

「何かになりたい人」は「謎マナー」を押し付ける人である可能性が高く、マネジメントは人を見る目がしっかりしていないと会社全体がすぐにおかしな事になると思います。