機能と形態が調和したすてきなモダニズム建築の幼稚園
「形態は機能に従う(Form Follows Function)」という言葉を残したのはアメリカの建築家で、フランク・ロイド・ライトのお師匠の一人でもあるルイス・ヘンリー・サリヴァンです。
例えば東京タワーを設計した内藤多仲が「構造計算して、日本一高いタワーを設計したらあの形になった」と言ったそうですが、機能を追求した末の美しさは存在するのだなと思います。
さて、上記の写真ですが、東京都北区にある桜輪幼稚園です。
昭和52年の開園だそうで、1977年ですね。43年前の建築という事になると思います。
なんといってもこの建物と一体になった滑り台。これは子供達は興奮しますよきっと。
一回滑ったらまた建物に入って階段上がって滑る必要があると思いますが、このデザインと機能が一体になった建築はモダニズム建築全開で見ていて嬉しくなりますね。わたくしこういう幼稚園に通いたかったです。
こちらは横から見た写真ですが、手前の線路は東京さくらトラム(都電荒川線)です。すぐ左が梶原駅になります。
やはりモダニズム建築の特徴である水平の連続窓が見られ、赤のラインがかわいいですね。園児達はここから都電を見て楽しむことが出来るのではないでしょうか。
またよく見ると建物の側面に段差がついていますが、この段差が柱を目立たなくする効果を出していて、水平の窓が柱に遮られない効果を出していると思います。
ル・コルビュジエの近代建築の5原則のひとつの連続した水平窓ですが、西洋の建築は基本的に石積みですから、構造上窓は縦方向に長くなりがちなんですが、コルビュジエはそれに対抗して連続した水平窓の概念を打ち立てたという事を本か何かで読んだ気がするのですが、なるほど軽やなかな印象です。
僕が桜輪幼稚園を見に行った時は、新型コロナウイルスの影響で休園でしたが、再開されると思いますので、建物を見に行かれる方で写真を撮りたいと思う方は、園児や先生、保護者が写ってしまわないようなご配慮をお願い申し上げます。