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さぷログ

メーカーの人事部門で働いています。

みずほ銀行のシステム障害に関する考察

さぷさんです。ついに上司に暇だとバレまして、仕事がやたら増えました。働かないおじさんから働くおじさんに戻りたいと思います。

さて、みずほ銀行はトラブルが続出したり、デリバティブで損害が100億円規模になりそうだったりと散々な新年度スタートになってしまっております。

件のシステム障害ですが、4/1付けの日経新聞朝刊の記事によると「制御などに関する組織的なスキルやノウハウが低下するとともに、横断的なチェックや統制が十分に機能しなくなっていた」という事です。

ATMで障害が発生したのが2/28(日)の朝ですが、上記と同じ日経新聞記事で「ATMが広範囲で止まっていると担当部へ情報が上がったのは午後1時過ぎ。幹部が全拠点に出勤を指示したのは午後2時半ごろだったが、休日でメールを閲覧できる端末を携行していない管理職が多かった。本部が顧客への対応で明確な指示を出したのも午後5時半と後手に回った」との記載がありました。

僕もシステム会社勤務のときは会社の携帯電話を持たされ、土日に電話がかかってきたら即トラブルという事な訳でありますから、怯えながら過ごしていた記憶がありますが、みずほ銀行のシステム担当者は携帯電話の携行が徹底されていなかったという事になると思います。

携帯電話の常時携行が徹底されていないと言うことは、おそらくATM障害発生時の対応フローも存在していないだろうと言う事が推測されます。

システム界のサグラダ・ファミリア教会との汚名を晴らしたMINORIが稼働したのが2019年7月で、1年半も立たずにまた障害かと思いたくなりますが、一旦冷静になる必要があります。

みずほ銀行を擁護する訳ではありませんが、システムの構築の失敗と運用の失敗は別物です。

システムが無事カットオーバーし、初期トラブルが収束して安定稼働期に入り、何かしらの大規模メンテナンスが入った時のトラブルのようですから、完成させたはよかったものの、このフェーズの対応を全く考慮していなかったという事になると思います。

残念ながら、経営マターとして取り扱われていたMINORIのプロジェクトが終了し、みずほ銀行のシステム部門の立場がまた弱くなってしまったのではないかと推測しています。

そしてなぜ2/28に大規模なメンテナンスを強行してしまったのかという理由は、推測ではありますが、当年度中に実施すると計画していたものの、準備が遅くなってしまい、3月にやるよりも2月中になんとか終わらせたいというような理由かもしれません。弊社でも3月に入ってから、当年度納期の依頼がやたら入ってきたりしますので、他社様の事をどうこう言える立場ではありません。

立場が弱くなるというのは、エース人材と予算が情報システム部門にはあまり分配されず、立場の強い部門の言いなりになると言う事です。

確かに、稼いでいる部門ではないのですが、社会インフラを支える部門でありますから、この構造が変わらない限り、また同じ事が起こると思います。

組織的なガバナンスを効かせる為には、エース人材を情報システム部門のトップに据えて、社会インフラ部分も含めて他部門に物申せる体制にしつつ、大規模メンテナンスの際のシナリオ作成を充実させ、失敗の際のロールバック等の対応も準備をするという真っ当な対策を行っていくしかないかなと思います。