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さぷログ

メーカーの人事部門で働いています。

みずほ銀行に金融庁激おこの件

さぷさんです。みずほ銀行システムトラブルウォッチャーです。

さて、本日の日経新聞記事に金融庁みずほ銀行のシステムを直接管理するという記事を見てびっくり仰天した訳ですが、野球に例えると審判が審判の役割を持ったまま自分のチームの監督兼もしかしたらプレイヤーも兼務かもしれないという絶望的にみずほ銀行に主権がない状態が爆誕したと思います。

みずほ銀行のシステム、金融庁が管理へ 異例の行政処分日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB219WX0R20C21A9000000/

金融庁は週内にも、ATMなどの障害が多発するみずほフィナンシャルグループみずほ銀行に対し、異例の行政処分となるシステムの「管理命令」を発動する方針だ。年内いっぱいをメドに、同行が進めるシステムの更新作業や保守業務を共同で管理し、必要に応じて運営体制の見直しも命じる。金融当局がシステム運営を直接監督することで障害再発を最小限にとどめ、金融システム不安への波及を防ぐ』

金融庁としても、これだけ指導しているのに7回もトラブル発生させてしまったので黒崎検査官でなくても組織のメンツに関わる問題ですから、銀行法26条にある「その他監督上必要な措置」を使って、システム運営を直接監督すると言うことですが、銀行法26条を実際に読んでみますと、財務上の問題が生じた時の業務停止が主たる目的のようですので、法律とは解釈の幅を広く取れる作りにしておくべきだと言うことですね。

さて、みずほ銀行の完成したサグラダ・ファミリア教会こと勘定系システムMINORIですが、2019年7月から稼働しているということですから、現時点でカットオーバーから2年2ヶ月ほど経過したということになります。

MINORIのシステム障害が発生したのが今年の2月ということは、稼働から1年半後を経過した後に障害が多発したという事になります。

システム障害は大きく分けて以下のパターンに分けられると思います。

①仕様のミス
②仕様は正しいが、プログラムのミス
③仕様上想定外のデータのインプットや想定外の条件の重なり
④想定時間に処理が完了しなかったことによる後続処理の停止、またそれに伴う異常終了
⑤ハードウェア故障

上記の①②はカットオーバー前のテストで徹底的に潰しますし、③については少なくともMINORIが1年半稼働する中で、レアケースを7回立て続けに踏んだというのも考えにくいと思います。

そうするとやはり④⑤あたりが原因ではないかと思うのですが、これらは運用で回避できる内容です。

日経新聞の記事では金融庁MINORIのシステムそのものの欠陥に疑念を抱いているという話ですが、公開情報を客観的に見てみると運用でやらかしているという印象です。

ただ、バックアップのシステムがことごとく動かなかったというトラブルについては設計ミスがあるかもしれません。

頭に血がのぼっているときは全てが悪く見えてしまうかもしれませんが、そういう時ほど事実ベースで冷静な分析と対応をすべきだと思います。