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さぷログ

メーカーの人事部門で働いています。

単身赴任中42歳のおっさんが「映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」を見た感想

さぷさんです。42歳くらいになるとそれなりに責任が出てきまして、しんどい場面もあります。大人とはその年齢になれば“なれる”ものではなく、無理に“やせがまん”を続けているだけではないかと感じています。

それでもバランスを取って生きている訳ですが、それが狂ってしまうと世間を騒がす芸能人みたいな事になってしまうのではないかと思っています。

さて「すみっこぐらし」でした。「すみっこぐらし」という主に低年齢の女の子向けの作品がある事は知っていました。

うちは男の子が2人なので名前くらいしか知らなかったのですが、「すみっこぐらし」というネーミングには惹かれていました。“一隅を照らす“みたいな感じでいいなあと。

そんな訳で今年のマイテーマを「すみっこぐらし」にしてみた中で、マイテーマなのによく知らないのも良くないと思い、アマゾンプライムで「映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」を視聴してみました。

単身赴任中+寮での在宅勤務なので人と触れ合う機会がほぼ全くない僕としては、まずすみっこ達が仲良く(?)暮らしているだけでめちゃくちゃ羨ましい訳です。

まさかほのぼのアニメで最初から嫉妬させられるとは思いませんでしたが、孤独は耐える事が出来るだけで、極めることは出来ません。(個人の感想です)

そんなすみっこ達ですが、食べてもらえなかったとんかつの切れ端。エビフライのしっぽ。自分探し中のペンギン。恐竜であることを隠している自称とかげ。かたつむりを装うなめくじのにせつむり。雑草。飲み残しのタピオカなど、外見はゆるふわですが、なかなかハードなトラウマを持ったキャラクター達が登場します。

僕もコンプレックスの塊のようなタイプですが、すみっこ達には感情移入が出来るような、そうでないような、微妙な感覚です。これは後述します。

映画のあらすじは、昔話の飛び出す絵本の中に吸い込まれてしまったすみっこ達が、そこで出会ったひよこの居場所を探そうとするロードムービーみたいな感じのお話なんですが、すみっこ達が桃太郎とか、赤ずきんちゃんとか、人魚姫の話の中の登場人物になって、大活躍(?)していきます。

すみっこ達は何かしらのトラウマを抱えていると書きましたが、映画の中では長所の能力が描かれる事は何故かありません。とんかつの切れ端がアンパンマン的な活躍をする事はないのです。

ただ、すみっこ達はお互い助け合う事についてはよく描かれていて、とんかつ切れ端とエビフライがひよこを助けるために水に飛び込もうとしたら、他のすみっこ達が止める訳です。衣がぐちゃぐちゃになってしまいますからね。

長所を活かすとかでなくて、相手の特徴を受け入れて当然のように仲間が助けるというテーマがすみっこぐらしの中にはあるのだと思います。

また、ひよこの居場所探しに一番共感するのが、自分探し中のペンギンだったりするのですが、「ひよこは居場所探している→ペンギン自身も自分探しをしている→ひよこ=自分である」という、私はあなただったかもしれないというやや哲学的なテーマも扱っています。

すみっこぐらしは、弱者やトラウマを持っている場合でも居場所はあるし、それを受け入れた上で助け合うという作品の信念があると感じたのですが、キャラに過度に感情移入出来ないようにしているようにも見えるのです。

すみっこ達はしゃべる事はなく、井ノ原快彦さんと本上まなみさんのナレーションしかありません。

また、すみっこ達の半数は口が書かれておらず、言語によるコミュニケーションはあまり望んでいないようにも見受けられます。(ただ、みんなでおにぎりを食べるシーンはあるので、口はあるのだと思います。書かれてないだけで)

すみっこ達はすみっこ達なりにがんばっているのだから、お前はお前なりのすみっこでがんばれというメッセージに読めてしまったので、すみっこ達を応援したい気持ちにはなりますが、自分がすみっこの一員になりたいかというとそういう作りにはなっていないような気がしました。

以前なら欠点として治していくものだとされていた事も当たり前のように受け入れてフォローも自然に出来るような仲間と居場所があるという事は理想的ですが、現実ではなかなか難しい事です。

あと、個人的には仲間がいる事が羨ましいですね。単身赴任+寮での在宅勤務はあまり精神的に宜しくありませんからね。贅沢な悩みだというのは承知してはいるのですが。