ティール組織に感化されたら評価が下がった話
- 作者: フレデリック・ラルー,嘉村賢州,鈴木立哉
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2018/01/24
- メディア: 単行本
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ティール組織は半年くらい前に読んでかなり感化されました。ティール組織に対する個人的な理解としては「社会における組織の存在意義を徹底的に見つめて、自分の得意分野に応じた役割を積極的に果たす。また、情報は完全にオープンにする事で部分最適に陥らないように気を付けつつ、役職もないので物事を推し進めるのは情熱と論理、他人を巻き込むトータル的な人間力が大切である」というように思っている次第です。
僕がどのように感化され、自分の考え方や振舞いにどういう変化が生じたかと言いますと、仕事に対してこれはそもそもどういう目的のもとにする仕事なのかを考える習慣がつきました。
スタッフは得てしてそもそもの目的をあまり意識せず、手段のところに注目しがちなので、仕事の存在目的そのものが気になり、目的のための手段であるべきと考えるようになりました。
また、社長も部長も課長も一般のスタッフも全ては役割として必要な構成員な訳で、管理職だから偉いとか、一般社員だから上司の言う事は必ず聞くべきだとか、そういう感覚がなくなりました。
管理職だってスタッフがいなければ課の運営が出来ない訳で、各人の責務を果たす事が重要な認識するようになりました。
さらに、情報は積極的に開示するようになりました。他部門から資料を求められた場合は他にも参考になりそうな資料も併せて渡すようにしたり、自分の目標管理の内容もこんなこと書いたから参考にしてみてと後輩に渡したりしました。
元々そういう事をする事に抵抗がない性格だったのだとは思うのですが、この前上司と面談をしたときに悲劇(喜劇?)が起こりました。
上司が開口一番「あなたは最近偉そうにしているように見えるので直したほうがよい」とおっしゃられた訳です。
そんなつもりは一切無かったので頭が瞬間混乱しかけたのですが、弊社はオーソドックスな昭和的な年功序列の会社です。ティール組織とは対極にいるといっても過言ではありません。
仕事について、そもそもこの仕事をやる意義とはなどと考えている部下など、やりずらくて仕方がないのは確かです。
また、上司は特に偉いわけじゃなく、ただの役割だと思うようになってしまっていたのでずけずけとモノを言ってしまっていたというのもあるかもしれません。
要するに面倒くさい部下と言う事なんだと思いますが、ティール組織がまさかこのような作用を引き起こすとは思っていませんでした。
さらに「特に後輩の〇〇さんに偉そうにしているのは直したほうがよい」と言われました。僕もサラリーマンです。この場はもう上司に何を言っても無駄だと悟り、これからは気を付けますと殊勝なふりをしてなんとか切り抜けました。
しかし僕はティール組織信者です。面談後すぐに〇〇さんに「面談で上司から〇〇さんに偉そうな態度取ってるって言われたんだけど、そうだったらごめん」と言ったところ、「そんな事ないですよ、相談に乗ってもらって感謝してますよ。今週どこかで飲みにでもいきましょうよ」と言ってくれて、なんだ問題ないじゃないか。と思った次第です。
多分これを上司が何処かで耳にしたら多分また怒るであろう事は容易に想像できます。マウンティングが通用しないやっかいな部下の誕生です。
ただ、後輩や他部署からはかなり信頼されるようになってきたような気はしています。上司はそれも気に入らないかもしれません。
ですので従来型の組織に属している方で、ティール組織に感化された方は上司との関係が悪くなってしまう可能性が多分にあります。
大変興味深い本ですが、危険な思想書であると言えると思います。少なくとも査定が1ランクは下がって、賞与に影響があるくらいには。