最近チームに関する本を読んだんですけどなんとなくイマイチでした。僕は会社で選抜研修を担当していまして優秀な人を200人くらい見てきており、また選抜研修ではグループワークを行って、最後に役員に発表するのですが、事業化まで行くようなケースから、活動途中で空中分解しかけたケースまでこれも何十チームも見てきました。
そんな中で活躍するチームというのがある程度見えてきたのでその事をちょっと書いてみようと思います、
その1 チームはリーダーの能力を超えられない
最初は選抜者が集まっている研修なので、メンバーのトータルとしての力が重要かなと思っていたのですが、リーダーの影響力はとても強いと思い直した次第です。
基本的にリーダーがチームの運営をしていくので、どの位の頻度でミーティングを開催するのか、進捗の管理はどうするのか、全体の流れをどう作ろうとしているのか、リーダーの力量はチームの成果に直結します。
と言うことでリーダーが迷うとチーム全体が迷います。リーダーの責任は重大です。
また、リーダーには専制的なリーダーと民主的なリーダーがいますが、成果という面ではあまりおおきな差はありませんでした。
ただこれは半年程度の研修なので、専制的なリーダーでもなんとか持ちますが、これが通常の業務とかだと部下が疲弊してしまうかもしれません。
とにかくチームの活躍の成否はリーダーが握っていると行っても過言ではありません。
その2 メンバーにニックネームを付けている
どういう事かと言いますと、例えば5人くらいのメンバーで活動する訳なんですが、データ分析が得意な人を「データサイエンティスト」と呼んだり、独創的なアイデアをだす人を「イノベーター」と呼んだりして、得意な役割をニックネームという形で強調して、メンバー本人も気持ち良く役割を受け持てるような雰囲気を作っているグループは活躍します。
メンバー間で得意分野が異なり、たとえば顔が広くてアポイントをたくさんとってくれる人と、ヒアリングや仮説を構築するのが得意な人、資料を作るのが得意な人とかが分かれているとさらに活躍する傾向があります。
あるリーダーにこの法則を伝えたところ「僕はドMなので犬と呼んで下さい」とかなり的外れな宣言があり、そのグループはちょっと残念な結果となりました。
その3 指導を受ける回数が多い
各グループは社内の有識者についてアポイントを取って指導を受ける訳ですが、自主的に沢山の指導を受けているグループは活躍する傾向があります。
やはり、自分達の意見をぶつけて、それに対してアドバイスを貰い、何度も繰り返す事でチームが成長します。
テニスの壁打ちのような物で、壁に何回も挑んでいったほうが上達するようなイメージですね。
その4 レベルの低いメンバーに対する思いやりのある無視
選抜者とはいえ、レベル差はやはりあります。グループのメンバーが5〜6名いる中で、やはり1、2名は残念ながらあまり活躍出来ません。
また、グループで討議していても、レベルが高いメンバーで会話していると会話のテンポがものすごく早いのですが、レベルの低いメンバーに合わせようとすると会話のスピードが落ち、内容もありきたりなものになってしまいます。
優秀なリーダーはその辺が分かっていて、会話は優秀なメンバーだけで進めて、最後にレベルの低いメンバーにも意見を聞いて孤立感を味合わせないような工夫をしています。
出来るリーダーは腹黒さと、それを見せない工夫もしっかりしています。
その5 活動に時間をかけている
働き方改革の時代にあまりこういう事を言うのは良くないのですが、量で質を上げるというのはやはりあると思います。
あるとても発表内容が良かったリーダーに後日聞いたところ、研修期間中は仕事そっちのけで9割研修に時間をかけていたという事でした。
いいかどうか正直微妙ですが、成果を挙げられる要素であることは間違いありません。
その6 働きかけが強い
活躍するグループは対外的な働きがけがとても強いです。事務局への問い合わせも多いですし、ダメ元でもまずは聞いてみるというような事をよくしています。
逆にダメなグループはこちらから働きかけても反応がなく、これ以上何も言われたくないと殻に閉じ込もってしまいます。
その7 きちんと議事録を書く
長い期間中活動をしていると議論が堂々巡りをしてしまうことがあります。また、有識者にヒアリングして、その時は覚えた気になっても、記録していないと人間は忘れるものです。
なので活躍するグループは面倒くさがらずに議事録をちゃんと出してきます。また、ごくまれに打合せ中に高速タイプしながら議論をまとめ、打合せ終了と同時に議事録を発行するスーパーな人もいます。
その8 データに基づいて議論している。
議論でありがちなのは、主張をぶつけ合って時間だけが過ぎていくパターンです。優秀なリーダーはそれが分かっているのでデータやファクトをベースにして議論を進めます。メンバーが異なる考えを持っていたとしても、データという時日には逆らえないので、議論も自ずと地に足がついたものになります。
以上、8つの活躍するグループの特徴を書きましたが、全て当たり前と言えば当たり前の内容です。
チームの運営に魔法の銀の弾丸はありません。地道に当たり前の事をスピード感を持って進めるというのが結局は成功の近道だと思います。