昭和的企業がイノベーションを成功させる方法
さぷさんです。年末調整の書類を提出したら捺印を忘れていた箇所があって戻ってきました。
近くのはんこ屋で100円で買った認印の真正性とは如何ばかりかと思わずにはいられません。
また、社内の年末調整書類でなりすましをされる事はほぼないでしょうし、政府も認印は廃止する決めていますから、はんこ業界は大変だとは思うのですが、弊社も認印廃止の方向で検討頂きたいと思っています。
さて、よくネット記事や本などでイノベーションの重要性と方法論を説いた記事を数多く見ます。
大体において「組織の壁をなくす」「アイデアを潰さない」「IT人材を育成する」などの内容が書かれている事が多いと思っています。
方法論としてはそれはその通りなのですが、それが具体的に実行出来ないから多くの日本企業の株価が長期トレンドとしては成長期待が見込まれない為に右肩下がりになる訳です。
企業におけるイノベーションについては、一橋大学イノベーション研究センター長の青島矢一先生がとても有名ですが、企業に入り込んで研究をされている方というのはあまりいないような気もします。
企業側としても自社のコア技術や方法論、事業の進め方などを外部に教えたがらないと思いますし、仮にコンサルタントとして参加した場合は守秘義務契約に縛られる訳です。
ですので、世の中で画期的と言われるイノベーションが一体どのように発生したのかというのは、マスコミ向けのきれいなストーリーはあまり参考にならず、もっと具体的な、ある意味どろどろした所も含めた情報を知りたいのですが、そういうものはなかなか出てこないものです。
弊社では業界的にイノベーティブと言われている製品やソリューションがいくつかあるのですが、社内にいても別部門だと正直何やってるか分からないものなので、社外の人とあまり変わりのない知識しか持ってなかったりします。
そんな中で社内のいろいろな人に話を聞いていくと、画期的な製品なりソリューションには必ずと言っていい程中心的な人物がいます。
「あの人が仮にいなくなったらあの事業はどうなるんだろう?」みたいな人なのですが、画期的な事業全体を構想出来て、しかるべき立場で人と予算を確保して、社内社外と協力や調整をしながら強力に推進できるような人物は社内にひとりでもいればいいほうで、そのような人材は本当に滅多にいません。
発想は尖っているけど人間自体も尖りすぎていて人と協力出来ないとか、既存事業であれば拡大できるとか、一長一短あるのが普通ですから、チート級の超人は一般企業にはなかなかいないものです。昭和的な大企業は依然として保守的で安定思考の人間が多いですからね。
あと、もう一つ大切なのが、経営陣の後押しがあるという事です。弊社で成功した事業は社長肝いりのプロジェクトでしたから、全社的なバックアップがありました。
イノベーションというのは、既存の価値を破壊したり、今までなかった領域のソリューションを目指すものですから、残念ながら多くの人には理解する事が出来ないという難しさがあります。もちろん、その新たな事業が上手くいくかどうかという事も分からない訳ですから、当然リスクがあります。
会社として必要なのは、イノベーティブで組織を動かす人物を見つけ出し、強力にバックアップする事がイノベーションの成功の最短ルートだと思います。
そして、イノベーションを達成させる為には経営資源を投入しないといけない訳ですから、既存事業が儲かっていないと成功の確率が減っていきます。
優秀な人間は既存事業を持たせたまま、兼任でプロジェクトに投入させ、どちらも中途半端になったあげく、本人のモチベーションも下がって退職を選ぶみたいな事になってしまっては会社にとって大きな損失です。
経営者は勝負どころでは、一気に経営資源を投入する事も重要だと思います。戦力の逐次投入による失敗の話は至るところで聞きますから、時局を見誤らないという事が肝要です。
ただ、イノベーションなど新しいものは常に外から来ます。社内の生え抜きのエースではイノベーションは難しいのではないかとも思います。
外部からの人材登用もより重要になってくると思います。