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さぷログ

メーカーの人事部門で働いています。

儲かり会社で望んでない仕事をするか、儲かっていない会社で希望の仕事をするか

さぷさんです。弊社はメンバーシップ型雇用全開の会社ですが、優秀な若手からメンバーシップを自主的に外れていきます。なぜなのでしょうか。

さて、僕は2回程転職をしていまして、一社目はシステムエンジニア、二社目で内勤営業的な仕事、三社目で人事という脈絡のないキャリアなのですが、今本当に自分がやりたいと思うのはHRテックです。

例えばWEBの勤務表ひとつ取っても、出勤時間にバラツキがある社員は体調の悪化を疑ったほうがいいかもしれませんし、勤怠の締日間際に一気に入力するような場合は日々の勤怠管理をしっかりやってないということですから、アラートを出すということが出来ると思います。

一方で業績評価は、来年昇格試験を受けさせるから評価を上げておくなど、冷静に考えると(いや、冷静に考えなくても)いびつな運用をしていますから、評価を軸にして何か分析するのはおそらく危険だったりします。

また、自己啓発としてはこの前PythonをPCに入れてみました。おそらくPythonが凄いのは開発環境の構築がJavaなどに比べてものすごく楽で、PCにかける負担も少なそうなのと、ライブラリが充実している事なのかなと思いました。まだ始めたばかりですが頑張りたいと思ってます。

そのような訳でアイデアはいろいろあるんですが、今やっているのはぜんぜん違う仕事になります。

それでもこのご時世にしてはありがたい事に儲かっている会社になりますので、お給料は同じ業種の業界標準よりは高いと思います。お給料にやりたくない仕事プレミアムが上乗せされて支払われているという事が言えるかもしれません。

非常に悩ましいのが、タイトルに書いたとおり、儲かっている会社で望んでない仕事をするか、儲かっていない会社で希望している仕事をするかという選択です。

少し前の日経新聞の記事で出口治明さんがメンバーシップ型雇用を指して、「ダルビッシュ有の成長に必要だからと今季はショートを守ってくれと言うのか?」というような事が書いてあり、弊社だと野球選手にサッカーをやってくれなどとまじで言いかねない所がありますから、全くもって笑えません。

つまり、メンバーシップ型雇用の総合職のキャリアパスは社長や事業本部長に一直線に続くパスしかなく、社長や本部長は幅広く仕事を知っている必要がありますから、様々な仕事に配置される中で新卒採用からよーいどんで時間無制限一本勝負をさせているというのが身も蓋もないメンバーシップ型雇用の実態と言えると思います。

この無制限一本勝負の脱落者は社内のエッセンシャルワーカーとして落ち着く所に落ち着く訳ですが、仕事内容に比べて高給をもらっている中で、生活もかかってますから、自分を納得させて働いている訳です。また傍から見るとこれがいわゆる働かないおじさんになります。

話がだいぶずれましたが、メンバーシップ型の日本企業はごく少数の社長や事業本部長をつくるために大量の副生成物(働かないおじさん)を作り出す仕組みがまだ多くの企業で運用されています。弊社の優秀な若手が辞めていくのも、この仕組みに気付いてしまったという事なのだと思います。

では、儲かっている会社のやりたくない仕事を辞めて、儲かっていない会社でやりたい仕事をすべきかどうかという問いに対しては、若いうちは生活コストがそこまでかからないという点で、やりたい仕事に従事して技能を磨いたほうがよいと思います。

僕も一社目で通常1ヶ月かけるプログラムをテスト込みで3日で仕上げたり、まだ20代半ばだったのに営業が大口叩いて取ってしまった案件のトラブルシューティングをやったりと、めちゃくちゃでしたが今思うと成長することは出来ました。実践に勝る成長の場はないと思います。

そして、自分のやりたい事の技能が身についたとして、客観的にも需要が見込まれるものであったとしたら、自分の武器になります。

ここからが重要ですが、ある程度の年齢になってからの転職は、その会社が儲かっているのかどうかを一つの判断基準にしたほうがいいということです。

上場企業であれば有価証券報告書は読んでおいたほうがいいですし、非上場の場合でも決算公告は見ておいたほうがいいと思います。

そうすれば仮に転職先でやりたくない仕事についた場合でもそれなりの収入は見込めますし、嫌ならまた転職すればよいという心の余裕も生まれます。

また、当初やりたくなかった仕事でも、面白さを見出して自分の今までの技能と掛け合わせて固有の強みを発揮できる稀有な人材になる事が出来るかもしれません。

一つだけ確実に言えることは、会社にキャリアを任せる程危険なものはないという事です。可能性としては、出世レースの中で副生成物の方になってしまう確率が高く、会社はいまこの副生成物社員をセカンドキャリアなどと称して早期退職させようとしていますので、ご注意頂きたいと思います。