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さぷログ

メーカーの人事部門で働いています。

私達のやる事は変わらないという現場の抵抗感の正体

さぷさんです。メーカーのコーポレート部門で不要不急の仕事をしています。

さて、今ぐらいの時期は次年度の組織改定や人事が発表される時期になりますので、メンバーシップ雇用ばりばりの昭和的企業の弊社は「○○さんは△△に行くんだ」とか「□□さんがあのポジションに行くとは」みたいな話が繰り広げられる訳ですが、早くジョブ型雇用になってそういうのがなくなればいいなと思ってます。(僕自身が不要不急人材なので自分の首を締めている気がしなくもないですが)

やはり、弊社を見ていても開発者や現場の技能者は別かもしれませんが、メンバーシップ雇用の弊社の多くの社員は専門性が身に付いていません。

いまのVUCAの世界の中で専門知識がなく、言い方は悪いかもしれませんが特にコーポレート部門の一部は結果的に仕事ごっこみたいな事をしてしまっており、専門性が求められる内容は外部にお金を払って頼む選択肢しかないというと言うことをこれ以上続けていると、会社に取ってはデメリットが益々大きくなってくると思います。

さて、組織改変で「○○推進室」「〇〇企画部」「〇〇改革室」みたいな組織が出来たりしますが、名は体を表すと言いますか、今出来ていないことをやりたいが為にこのような名称が付けられます。

組織改変には、上層部の狙いが当然ある訳ですが、末端の社員にはそれがなかなか伝わらないか、伝わっていても拒否感があったりします。

つい最近、大きな組織改変がある部門の社員とビジネスチャットしていた時に、「組織改変で大変だねー」と伝えたところ「でもやる事は変わりませんから」と返信がありました。

まあ確かに実態はとりあえずそうなのかもしれませんが、理想を言うと組織改変の目的に応じて日々の仕事が変わっていくはずです。

日々の仕事が変わると言うことは、昨日やっていた仕事と今日の仕事が変わる筈です。

このような現場の抵抗感というものの正体は正常性バイアスなのではないかと最近思っています。

正常性バイアスは、予期せぬ出来事に対して人は鈍感になってしまう現象で、災害時の逃げ遅れなどの理由としてあげられたりしますが、社員本人が想定していない状況に置かれるとこの正常性バイアスが働き、鈍感になってしまうのではないかという仮説です。

ですので、このような組織ができた時は特にマネージャーが重要で、組織の目的と目的達成の手段を明確にして、仕事の棚卸しを行い、新しくやる事とやめる事の仕訳をしなければなりません。

組織としての仕事全体をデザイン出来る力と、それを達成する日々の積み上げのスタッフの仕事の両方を理解して判断出来るマネージャー人材が必要なんですが、なかなかいないのが正直な所で、「〇〇改革室」が出来てもいつの間にか解体されてたりします。会社も本気なのであれば、エース人材とそれなりの数のスタッフを付けるという経営判断をしないと、失敗する可能性が高くなると思います。