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さぷログ

メーカーの人事部門で働いています。

ジョブ型雇用は○○な事になるが、本当に出来るのだろうか

さぷさんです。43歳のおっさんです。

基本的に在宅勤務なのですが、先週たまたま出社しました。そしてその日出社していたメンバーがかき集められて、会議室の3密を避ける対応作業をしました。

ドアに3密回避の注意喚起の貼り紙を貼ったり、使用してはいけない椅子にも貼り紙の貼り付けなどの作業です。


会議室の担当者が貼り紙を準備して、課長以下数名に作業を割り振ってそれぞれ貼り紙をペタペタ貼った訳なんですが、大会議室なんかはかなり大変でした。

「こんな広かったっけ」
「椅子多いよね。密だよね」
「ガムテープ貸してください」
「結構汗かきますね」
「マスクがつらいよね」

などなど会話をしながら作業を終えて、課長が「おつかれさまでした!コロナじゃなければ飲みに行きたいところだけどね」「そうですねえ、飲み会なくなりましたねえ」みたいな昭和的で平和な会話が珍しくありました。

どうやら僕たちはみんなで何かの作業に頑張るという事が大好きで、これは何かに似てるなと思ったらお祭りの準備でした。

役割があるようなないようなあまり分担されていない中で、「去年どうだったっけ」「あれが足りない」などわいわい言いながら準備をして、完了したときの満足感。アレです。

おそらく我々日本人の遺伝子プールとして、共同作業に対して、基本的にはポジティブな感情が芽生えるのではないかと思うんです。

稲作を2千年くらい続けてる国民性ってやっぱりあると思うんですよね。みんなで汗かきながら共同作業をする事が大切という感情が。

ですので、上記の会議室の新型コロナウイルス対応をジョブ型でするとすると、会議室の担当者のみが作業をする事になると思うんですよね。

他の誰かに頼んだとしても「It's not my job」というのが厳密なジョブ型の働き方です。(流石に新型コロナウイルスでみんな大変な中で、いくらジョブ型雇用の会社でもイレギュラーな仕事をシェアしてやってくれれるとは思いますし、マネージャーからの命令ならば別ですが、極端な事を言うとそういう事です)

そして、会議室の貼り紙程度の話から、異動したのにいつまでも引き継げていない業務や、ある人の為に部門自体が出来てしまったり、組織上の権限決定者である管理職がいるにも関わらず現場の社員が実権を握っていて、マネジメントがぐちゃぐちゃになっていたり、人に仕事が貼り付くメンバーシップ雇用に私達は馴染みきっています。

新型コロナウイルスの会議室の対応作業とそれは違うと思うかもしれませんが、こういう事が切れ目なく繋がっているのが日本の古くからある会社の特徴です。

ジョブ型雇用に本気であるのであれば、「It's not my job」と部下が言ったときにはむしろ褒めるべきです。

果たして私達にその選択は出来るのでしょうか。