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さぷログ

メーカーの人事部門で働いています。

FIREへの違和感というか妬み

さぷさんです。最近FIRE(Financial Independence, Retire Early)が流行ってるようなのですが、その事について書いてみたいと思います。今回はFIRE達成者への妬みというやや(かなり)みっともないエントリーとなっております。

なんとなくFIREって聞きますと新しい響きのようですが、なんのことは無い「不労所得で生きていく」だと思います。ただ、FIREの特徴は米国株への投資のリターンを生活費とバランスさせるというところがポイントのようで、年4%のリターンを目標に投資していくそうです。

僕は日本株にしか投資していませんが、日経平均のマイナス0.5%位で資産が推移する絶妙なインデックス投信的値動きの含み損ですから、毎年4%の運用実績を出すことができる人というのは相当に優れていると思います。

そして、今はまだFRBや各国の中央銀行政策金利を抑えてますし、日銀はETFで株価を下支えしてますから、素人ながらどう考えても実体経済よりも金融経済の規模が大きく、テーパリングの時期が注目されていますが、危ういバランスでの株高だと思っており、そのうち調整局面を迎えると思います。

FIREが注目されているのも空前の株高が前提であり、ネットの記事を見て自分でもなんとかなりそうという幻想を抱いているのだと思うのですが、現実はそう甘くありません。各国のバランスシートは大幅に悪化している中で、何かがトリガーとなってリセッションに至った場合、FIREどころではなく、WATER
(Work After Tonight to Earn Rewards)になってしまうかもしれません。といいますか、例えば40歳でFIREを達成したとして、80歳まで生きるとして40年間毎年4%のリターンを得続けるというのは、なかなかファンタジーな気がします。

年4%のリターンで生きていくのための元金は7500万円だそうでして、その4%が300万円ですから、この額だと割と慎ましやかな生活となり、結婚も難しそうではあります。

また仮に結婚して子供が出来たとして、その子供がお父さんの仕事何?と聞かれてもかなり困りそうですし、必死で働いて元金を貯めて年4%の運用実績を残しているのがすごいと分かるのは中学生以降でしょうから、子供の教育にはあまり良くないような気もします。(一方で上着はワイシャツで下がジャージで在宅勤務をしている僕ではありますので、同様に子供の教育には微妙な感じではあります)

あと一つ思うのは、能力がある人というのは世の中のほんの一部です。

かなり以前に学生の時の部活のキャプテンで、リーダーシップがあり、人徳もあり、勉強とスポーツが万能である超優秀な友人とご飯を食べに行ったことがあるのですが、「アーリーリタイアメントして、あとは好きなことをしたい」と言っていた事にかなり違和感を覚えた記憶があります。(FIREが注目されるかなり以前の話です)

その友人は大手広告代理店勤務で、めちゃくちゃ美人な奥さんと結婚したので、それに対するひがみを差し引いたとしても、当時の僕の違和感の正体は、優秀な人材はその能力をある程度は社会還元すべきという思いがあったからだと思います。

FIREについては正直羨ましいと思いつつも元金の形成と基本的に死ぬまで株式運用で生きていくのはなかなか現実的ではなく、達成して継続できるのはほんの一人握りの優秀かつ幸運な人で、尚且近年の各国中央銀行の金融緩和が生命線だとすると、やはりファンタジーな生き方ではなかろうかと思います。