メンタリストDaiGo氏のあの配信は教祖業の失敗
さぷさんです。DaiGo氏が翻訳されたダレン・ブラウン氏のメンタリストの罠を読んだことがあります。
さて、大炎上中のDaiGo氏ですが、例えばDaiGo氏本人が仮に交通事故などで手足が不自由になり、また脳にも障害が残ってしまったとして、「そういう人間は生産性がないからさっさと死んでしまえばいいのに」と他人言われた時に「はい、その通りですね」と言わなければ彼のロジックは崩れますからプライドがあれば認めざるを得ないですし、死にたくなければ前言撤回するしかないので、〈私はあなただったかもしれない〉というシンプルな思考が出来ればタレント生命(なんでしょうか?)が失われる危機に自らを陥れる事はなかったように思います。
少し考えれば誰でも分かるようなリスクをなぜDaiGo氏は引き起こしてしまい、あのような他者の尊厳や人権を全否定する発言をせざるを得なかったのかをこのエントリーで考えてみたいと思います。
さて、DaiGo氏をはじめ、堀江貴文氏、中田敦彦氏、西野亮廣氏は僕の中で同一カテゴリの方々でして、オンラインサロンで熱心なメンバーを獲得しているというイメージがあります。
彼らは宗教の教祖的だと揶揄される事が多くありますが、教義=社会的成功(身も蓋もない言い方をすると金持ちになる)、経典=金儲けのメソッドと言ってしまいますと身も蓋もないですが、そういう事になるかなと思っています。
ただ、色々な方が言及しているので言うまでもないですが、彼らは超絶に頭が良く、行動力もある上に努力をしているので、彼らのメソッドを取り入れた所で上手く行くはずがありません。(○○さんのオンラインサロンに入っていたので成功したというような話は寡聞にして存じ上げていない次第です)
一方で教祖様達にとっては、オンラインサロンメンバーは養分としてお布施と言いますかオンラインサロン会費などを吸い上げるためにとても重要な信者である訳ですが、万能とも思える教祖様達にとっても難儀な点があるようです。
どの本で読んだか残念ながら失念してしまったのですが、オウム真理教の麻原彰晃こと松本智津夫は、国家転覆には積極的ではなかったものの、部下にそそのかされて行動が次第にエスカレートし、松本サリン事件や地下鉄サリン事件を起こしてしまったのではないかと書かれていた記憶があります。
オウム真理教の最大信者数は日本国内で15000人(出家信者数1400人)だったそうですから大組織です。
いかに教祖といえど全てを自分の思い通りに動かせなかったかもしれないですし、終末思想はだいたい破滅的な道を辿りますからおそらく最終的には空中分解したと思いますが、部下の意見などを取り入れてしまい、行動がエスカレートしてしまったかもしれません。
かなり遠回りしてしまいましたが、話をDaiGo氏に戻します。
DaiGo氏を教祖だとすると、経典はメンタリズムです。心理学を有効活用して抜け目なく社会的成功者になろうという事でしたらまあいいかもしれませんが、もしかすると自分達は選ばれた側の人間であるという優生思想が生じていた可能性があります。
自分たちが選ばれた側の人間だとすると、選ばれなかった側の人間を差別するのは(DaiGo氏とその信者)にとっては自然なロジックではあります。(とても認められるものではありませんが)
ですので、DaiGo氏は彼自身もそのような思想があるからあの炎上動画が公開された訳ですが、DaiGo氏の信者がDaiGo氏にブーストをかけたという事は言えるかもしれないと思っています。
と言いますのもオンラインサロン等における教祖業もぶっちゃけ人気商売ですから、教祖様に魅力がなければ、信者は別の教祖様に簡単に乗り換えてしまう中で、言動を先鋭化させざるを得ない構造が内包されている点に教祖業の難しさがあります。
ですので、DaiGo氏は信者クラスタに向けたインナーの配信のつもりだったのかもしれませんが、信者以外の一般人の目に触れてコンフリクトを起こしたのではないかというが僕の見立てです。
まあ、あとお酒を飲んで話すと口がすべりやすくなりますので、世の中で一番信頼できないのはお酒を飲んだときの自分であるというところでしょうか。
こちらからは以上です。
三菱電機の品質問題における不正の構造
さぷさんです。メーカーの間接部門に勤務しております。
さて、メーカーと品質問題は切っても切り離せない生命線なのですが、三菱電機では長崎製作所の不正検査で社長が引責辞任となり、ISI9001の認証なども取消になったとの事です。
同社は同製作所などで製造した鉄道車両向けの空調装置や空気圧縮機の品質検査において、30年以上にわたり不正行為を行っていたとの事で、国内シェア65%を占める中で業績への影響は精査中とされていますが、9月に公表されるという調査結果が待たれます。
三菱電機、不正検査で長崎製作所の国際認証停止:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC293010Z20C21A7000000/
三菱電機のホームページにある労働慣行を見てみましたが、パワハラ問題の対策が(いろいろ問題を起こしてますので)目を引くものの、メーカーとしては比較的オーソドックスな内容に見受けられます。
ただ、気になるのが、働きがいのある職場づくりにある以下の記述です。
『「成果」=「能力×やる気」であり、従業員のやる気の向上のためは、従業員エンゲージメントの向上が必要です。エンゲージメントの向上は、従業員のモチベーションや生産性の向上による従業員・組織の成果の向上、更に顧客満足(CS:Customer Satisfaction)・競争力の向上、業績向上につながっていくと考えます。』
最近の人事のトレンドは従業員の安心と安全を確保して、従業員ひとりひとりの適正に応じた仕事を割り振り、自主性を尊重することで成果を引き出すという流れがあります。
グーグルが2016年にプロジェクトアリストテレスの結果レポートを公表して心理的安全性が注目されてからの流れがある中で、そりゃグーグルみたいに基本的に優秀な人材しかいない中では、心理的安全性を確保しただけで生産性が上がりますよねと愚痴のひとつも言いたくなってしまう気もしないでもないですが、社員の幸福を真剣に考える企業が日本でも少しづつ出てきているのは個人的には良いことだと思っています。
その点で三菱電機は一昔前の成果主義を土台にしており、ホームページでも目立つ形で掲載されているのが気になるといえば気になります。
また、従業員エンゲージメントと言えばなんとなく聞こえはいいですが、要するに会社への忠誠心ですし、あと、企業がモチベーションについて言及するときの本音を誤解を恐れずに言うと、「賃金アップでは報えないけどやる気は出せ」ですから、この文章を読んだだけでも従業員は会社に尽くすべきという風土が滲み出ている気がします。
あとこれは又聞きですので真偽の程場は不明なのですが、三菱電機の人事制度は現場部門と間接部門で完全に分かれており、現場をリスペクトするような制度にはなっていないということを聞いたことがあります。
上記ホームページを見たところ、現場部門の人事施策としては技能競技大会があるようですが、現場部門は声を上げにくい部分があるため、組合の働きがとても重要である中で、三菱電機労連が現場部門の意見集約と地位向上、会社への申し入れをどれくらい行っているのか(または行っていないのか)興味があります。
誰も好きこのんで不正をする訳ではないと思いますので、おそらく、構造としては限られたヒト・モノ・カネの中で製品をラインアウトさせるためのある意味合理的な行動が検査の不正だったのではないかと思っています。
ただ、この論理は極めて内向きであり、リソースが制限された中での最終手段だったと想像する訳ですが、資源が投入されずに結果を求めるとどういうことになってしまうかという極めて(悪い)典型的な例だと思います。
逆に倫理通報ホットラインも設置されている中でよく30年も不正が発覚していなかったなと驚く訳ですが、9月に出るとされている報告書がどこまで具体的に事実に迫ることが出来ているのか注目したいと思います。
なぜあの戦争を始めたのかというと、あと2年は戦えるから
さぷさんです。毎年この時期になるときまって『なぜあのような戦争を始めてしまったのか』という一億総反省会が始まるわけですがその事について書いてみたいと思います。
そして『なぜあの戦争を始めてしまったのか』という時のあの戦争は1941年の真珠湾攻撃に始まる日米開戦を暗黙裡に指していると理解してるのですが、日中戦争という意味では1937年に盧溝橋事件から始まっている訳です。
帝国陸軍は中国相手に泥沼の戦いを強いられ、ソビエトの脅威にも怯える中でこれ以上戦線は拡大したくなかったはずですが、海軍は戦力が充実しており、1941年6月時点では戦争がいつでも出来る準備が完了していたと言うことが以前読んだ半藤一利の本に書いてありました。
そんな中で同年11月に中国や石油獲得の為に狙って進駐していた南部仏印からの撤退や三国同盟の実質破棄などのハル・ノートが出されてしまったので、『米国許さんからなマジで』みたいな空気になってしまい、海軍が陸軍を引きずり込んだというのがあの戦争の大枠だと思っています。
もちろん、軍部大臣現役武官制などのシビリアンコントロールを骨抜きにする制度は1900年に整えられており、1936年のニ・ニ六事件によって軍部に抗すると命が危ないというような状況もあった中でパズルのピースがひとつずつハマっていき、日米開戦は避けられない状況に追い込まれていった中で、個人的には『なぜあの戦争を始めてしまったのか』という問いはやはり原爆や悲惨な太平洋戦争末期を想像した上での感傷的な問いであって、『あの戦争は始まるべくして始まった』というふうに捉えています。
また8月に入ったら総反省会が始まると思いますが、『あと2年は戦争出来るのに最初から白旗あげてたまるか』という突きつめれば結構単純な理由だと思うんですけど、事実と悲惨な出来事の混同はせずに別々に考えたほうが個人的にはいいと思っています。
日本企業の情報システムは一周回って強固
「進化のスピードが失われている。遅れているDXをどう底上げしていくか」。パナソニックの楠見雄規社長は悩みが尽きない。30余りのカンパニーや事業部を抱え、経営情報を管理する統合基幹業務システム(ERP)が林立。カンパニーや地域ごとに独自コード体系で動いており、グループ全体で経営指標を共有しにくい。
さぷさんです。上記は本日の日本経済新聞の「名ばかりCIO、場当たりDX 「情シス」消え人材不足 丸投げ変えられず」の冒頭部分です。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73784220S1A710C2TL5000/
部門最適でごりごりカスタマイズしてシステムを構築して、ERPのパッケージとしての保証期限が切れたものを使い続けにっちもさっちもいかないというような記事は百万回くらい読んだ気がしますが、経営者としては部下に欲しい情報を伝えたらきれいなパワポが送られてきたら取り敢えず経営者的には文句はないわけです。
ただ、場合によって担当者は各国現地法人から苦労して情報を掻き集め、単純に比較できないような情報を割り切ってグラフなり表にして、しかも情報としては2週間前のものみたいなのが実情だったりする中で、その資料で経営判断をしているのであれば日本企業が力を失っていくのは当たり前といえば当たり前です。
また、各事業部も自部門に都合が悪い情報は出したがりませんから、「うそはついてない」ならまだしも、東芝みたいになってしまったらかなり末期的だと思います。ミッドウェー海戦の大本営発表から全く持って進歩がありません。
そんな日本企業の情報システムですが、カプコン、ホンダ、三菱電機が大規模なサイバー攻撃を受けてニュースを賑わせたのが記憶に新しいですが、個人的には日本企業は比較的情報セキュリティが結果的に強固なのではないかと思っています。
と言いますのも、冒頭のパナソニックの例にもあるように、部門最適の様々なシステムが乱立していて、社内においても全容が把握出来ていないという状況がある訳です。
社内にいても把握出来ない情報システム群ですから、社外から把握することはかなり困難です。また、このシステムをやられると全社的にクリティカルというシステムがある訳ではないので、パナソニックは情報システム的には一周回ってかなり強固だと思っています。
システムの乱立は言い方を変えるとリスクの分散と言えなくもありません。もちろん狙ったものではなく、ナチュラルにそうなってる訳であって、自然の造形美に近いものがあります。(もちろん弊社もパナソニック事は全く持って揶揄できません)
ですので、ホンダはおそらくERPがグローバルで統一されていたので全世界のシステムが止まったと思うのですが、情報システムで進んでいる会社が情報セキュリティとして強固ではないという皮肉な状況になっていると思います。
もちろん、一周回って情報セキュリティが強固だとして、DXが致命的というのは完全にトレードオフですから、今のままでいいというわけではもちろんありません。
44時間かけて描いたさくらみこ様をグーグルレンズは認識してくれるのだろうか?
さぷさんです。老後は萌え絵師として余生を送る予定です。
さて、上の絵は44時間かけて描いた桜並木道でアイドルジャンプをしているホロライブのさくらみこ様です。44時間と言えば、僕の週の労働時間とほぼイコールな訳ですが、個人的にはこちらのほうがいい仕事をしたと思いますが、家族にはカミングアウトできません。
個人的には現時点で持てる画力をすべて投入したイラストですので、グーグルレンズで検索したらさくらみこ様が表示されているのかどうかを試してみました。
結果が上記の検索結果なのですが、センシティブな画像が引っかからないようにセーフサーチをオンにして検索したにもかかわらず、トップレフトがややセンシティブでだった事と別の検索結果は著作権に触れるかもしれないので、ぼかしを入れさせて頂きました。
そしてのこのトップレフトの画像は、さくらみこ様のようなのですが、どうも非公認のタペストリーのようで、Amazonのページに行ってもnot foundになります。
また、それ以外の画像については、ピンク髪の萌え絵という認識はしてくれたようなのですが、さくらみこ様は検索結果画面をスクロールするとたまにトレーディングカードが出てくるといった感じで、検索画面いっぱいにさくらみこ様が表示されるというのが100点満点だとすると、たぶん今回の結果は10点くらいかなと思いました。
あと、全然脱線してしまいますが、検索で萌え絵のお仕事募集の検索結果がいくつかありまして、萌え絵1枚の相場観を見たところ、5,000円~15,000円くらいのようでした。上記の絵は44時間かかっているので、仮に時給1000円だとしたら44000円になってしまいます。あと、割と供給過多(萌え絵師人口はそれなりに多そう)に思えるので、イラストを本業にしようと思うとなかなか厳しい現実がありそうだなと思いました。
話を戻します。普通にグーグルでさくらみこと画像検索しますと、ファンアートが大量に出てきますから、おそらくグーグルレンズは基本的に商品しか検索結果として出てこないのではないかと思いましたので、試しにカレーの画像で試したところ、カレー屋さんのリコメンドしか表示されず、また、次男の変顔を検索したところ、「該当する画像はありません」になったので、おそらくそういう事だと思います。
という事は、さくらみこ様の物販は非常に少ないのではないかとの仮説が成り立ちます。
試しにAmazonでさくらみこを検索すると、トップがコスプレ用のかつらで、あとは楽曲が目立つくらいですので、おそらく物販には力を入れていないことが分かります。(ちなみに楽天だとマスクやキーホルダーなど、もう少し多くの商品がヒットしました)
Vtuberの収益は、ほとんどYoutubeに依存していると思うのですが、さくらみこ様のチャンネル登録数は110万人です(2021年7月初旬時点)。ライブ配信の同時接続数はだいたい12000人くらいだと思うのですが、このうち最もコアな35Pを仮に1200名くらいだとします。
アイドルは時間とお金をいくらでも惜しまないトップオタ層をどれくらい維持できるかというのが一つの目安になると思うのですが、この層の1200名は35Pグッズが発売されれば必ず購入するはずです。仮に平均購入額が5000円/月だとしたら、600万円/月の売上です。
ロイヤリティーのことはよくわかりませんが、売上の10%であれば60万円、5%でも30万円がさくらみこ様に入る訳で、個人事業主であるVtuberとして、配信以外の収益が確保でき、事業ポートフォリオが安定するというのは良いことだと思います。
また、収益以上に重要かもしれないのが、単純接触効果(ザイアンスの法則)です。繰り返し接触することで好感度が上がるという有名な心理学用語ですが、政治家が街頭ポスターを重視していたり、選挙カーで名前を連呼するのは経験的に単純接触効果の有効性をよく理解しているからです。いくら政策がすぐれていても名前と顔を知ってもらってないと投票してくれないという事ですね。SNSでも「何を言うかより、誰が言うか」と言われますが、これも単純接触効果の一例だと思います。
やや脱線しましたが、Vtuberで恐ろしいのは、ファン側のスイッチングコストのハードルが限りなく低いという点にあります。(見るYoutubeチャンネルを変えるだけ)
そういう中で、部屋に35Pグッズがあると、常にさくらみこ様が目に入る状況の中で、ファンのマインドシェアを占有できる確率が高くなります。
グッズの企画、作成、販路開拓、流通、収益のロイヤリティー決定など、乗り越えるべきハードルは高いと思いますが、人気のあるVtuberは物販に力を入れるとよいのではないかと思います。
最初の記事の意図からは相当ずれましたが、こちらからは以上です。
次男の行動がニンテンドースイッチのフレンド申請により変容している件
さぷさんです。二児の父です。
次男は小3なのですが、このくらいの歳の男の子の例にもれずゲーム好きです。
今はニンテンドースイッチの戦車で戦う基本プレイ無料のオンラインゲーム『World of Tanks Blitz』ばかりやっている中でやたら戦車に詳しくなっており、イギリスで試作車両が一両だけ作られたTOG2というマニアックな戦車の説明を求めてきたりするので、Wikipediaで調べて、「うちで昔乗ってた車が1.5トンだけど、TOG2は80トンだったみたいだから、だいたい50台分でしょ、ちょっと重すぎない?あと最高時速が13キロメートルだったみたいだからもはや動く的でしょ。戦車の装甲の厚さと走行性能は背反だから最適バランスが難しいんじゃない?」とちゃんと回答したところ「ふーん」の一言でした。
さて、そんな次男ですが、友達作りの話になった時に、クラスの友達になりたい子に『友達だよね?』と確認してから友達になると言う事で、嫁と「なんか律儀というか、面白い事するね」と話していたのですが、ある日突然気が付きました。
次男はニンテンドースイッチで今時の子らしくフレンド申請をしたりされたりしているのですが、次男にとっての友達作りというのは、フレンド申請をして、承認をするものだというプロトコルが自明のものになってしまっているのではないかという仮説です。嫁さんにもその事を話したら納得していました。
友達というのはなんとなく友達になって、なんとなく疎遠になったり、知人と友人の違いとかに悩んだりしたりした思春期だった記憶がうっすらあるのですが、うちの次男は明確なプロセスとして友達認定があるのではないかという事です。
そして、当然ニンテンドースイッチのフレンド申請の機能にはブロック機能があるのですが、嫁に恐る恐る「仲良くしたくない場合に次男はどうしているの?」と聞いたところ「無視しているみたい」という想像していた悪い方の返答がありました。
人間の悩みのほとんどは人間関係であり、それは大人も子供も変わらないと思いますが、フレンド申請とブロックというプロトコルが子供たちにインストールされているとしたら、なかなかしんどい状態だと思います。スクールカーストという言葉はかなり浸透していますが、リアルフレンド数が可視化されている状況が子供たちの中で共有さてしまっているかもしれません。
うちの次男だけの変わった行動だといいのですが、ちょっと気になります。
欧米系の調査やアンケートと日本企業の相性の悪さ
さぷさんです。大企業の管理部門の片隅でひっそり生きています。
さて、企業の管理部門にいると、様々な調査やアンケートの回答依頼が届きます。また何か来たなと思ってメールを読むと窓口部門から「大変申し訳ありませんが✕✕日までに回答下さい」などが書かれており、添付のアンケートをとりあえず開けたものの、そのまますぐにそっと閉じたくなるような分量があり、納期ってもう来週やないですか。みたいなことがそれなりによくあったりします。
また、日本のアンケートならまだいいんですが、欧米からのアンケートだとまず英語ですから、Deepl翻訳が大活躍する事になります。
機械翻訳が本当に使えるようになってきたので、英語であることはまあいいのですが、困るのは欧米系の調査やアンケートの内容です。
どうも彼らの質問を読んでいると企業統治を性悪説に立って考えているのではないかと思えて仕方がありません。例えば罰則を設けているかとか、従業員からのエスカレーションプロセスはどうなっているか、などの質問です。
また、彼らはリスクを仕組みで解決しようとする意思を強く感じます。
つまり、会社の重要事項に専門性を持った役員で構成された取締役会を有し、それぞれの役員は自分が管掌する領域の委員会を持ち、ガバナンスを効かせる必要があるという企業統治の捉え方です。
日本の企業はこの部分の質問に大変弱くて、みずほ銀行のCIOも日経新聞によると人事系の方であると言うことですから、欧米からの見ると首を傾げるような企業統治に見えているのではないかと思います。ちなみにみずほ銀行を例に出させて頂きましたが、弊社も似たりよったりです。
Amazonのジェフ・ベゾスが何かのインタビューで、「善意(良い意図)は役に立たない。仕組みだけが役に立つ」と言っていました。個人的には大賛成ですが、日本企業と相容れないフィロソフィーであると感じます。日本人は現場のひたむきな努力が大好きですからね。
欧米と一括にするのはよくないと思いますが、やはりアダムとイブが知恵の実を食べて、楽園を追い出されて、食べるために仕事をしなきゃいけなくなったという原罪として、労働という苦役があるという思想がベースにあるのでないかと疑っています。
トラファルガーの海戦でネルソン提督は「英国は各員がその義務を尽くすことを期待する」(England expects that every man will do his duty)」と言い、東郷平八郎が日本海海戦で「皇国の興廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」とのZ旗を掲げましたが、これは国民性に基づくフィロソフィーの違いですから、いいとか悪いとかではありません。
ただ、内部統制やSDGsなどの仕組みは欧米のものを日本に適用するケース多いため、この哲学の違いによる相違を感じずにいられませんが、溜まっているアンケートの納期も待ってくれませんのでそれっぽい事を書いて上司に持っていくという仕事をせねばなりません。