今年こそ「働きがい改革」社員の満足度測り改善:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57019350Z10C20A3TJ1000/
リンク先の記事では「働きがい改革」の為の測定ツールにフォーカスした記事になっています。
従業員のエンゲージメントの低さが多くの日本企業で問題となっていますが、長時間働いてるけど実はやる気がない、能力もあまり発揮できていないという人が多いようだと本当に問題です。
話はやや脇道に反れますが、スポーツ選手とコーチの関係はかなりシンプルかつ強固だと思います。
「勝つ」という共通の目的があり、日々のトレーニングを積んでいく訳であって、目標はしっかりしているし、結果も勝ち負けが明確にわかる世界です。
一方で会社組織というのは、アダム・スミスが国富論で指摘したように分業による効率化を基本としています。
つまり、ほとんどの社員は会社の一部のプロセスにしか関与しておらず、その中で比較的成果が見えやすいような営業の仕事もあれば、バックオフィスの仕事もある訳です。
また、これも大きな問題なのですが、社員の長所と担当する仕事のアンマッチもあるように感じます。明るくて人当たりがよいが仕事は大雑把なタイプがなぜか経理に配属されたりして、営業に行けば相当にフィットしただろうにと思うような人もいたりします。
ただ、難しいのは「誰かがやらねばならない仕事が先にあって、そこに人がアサインされる」という仕組みが基本だという事です。
現場でネジを締めたり、経理伝票をひたすらチェックしたり、カスタマーサポートでクレームの電話を受けなければならない人というのはそれぞれ必要なのです。
以前はそういう不満も年功序列と終身雇用でまとめて面倒見ると言う事でなんとか成り立っていた日本型雇用ですが、最近雲行きが怪しくなってきました。
さて、エンゲージメントの話でした。エンゲージメントだとなんだか横文字で分かりにくいので、ここからは「やりがい」という言葉に置き換えます。
会社が決めた仕事に対して、自分なりの「やりがい」を見出し、成果を出していく社員ばかりだったら苦労はありません。
「やりがい」とは、先程のスポーツ選手とコーチを例に取ると「目標」の設定が重要です。
スポーツで言うところの「勝つ」というような目標設定をマネージャーとして出来るのか、職種によってはとても難しいと思います。
また、「目標」が決まったとして「手段」も大切です。人は生まれた瞬間から自分の思うようにしたいと望んで泣き、死ぬ直前までそれを求めます。つまり人の言いなりではなく、自己決定感がとても重要なのです。
マネージャーとしては、社員一人ひとりの目標をしっかりそれぞれ確認し、社員が変な方向に行かないようにしつつ自己決定感を損なわないようにするのは至難の技です。
なので会社全体としてティール組織的な仕組みも考えていかないといけない時期に差し掛かっていると思うのですが、 「やりがい」の向上の為にこれさえすればよいというものはなく、会社毎に事業や風土が異なりますから、ベストプラクティスもあまり参考にならないのではないかなと思います。
地道にマネージャーと部下で納得出来る「目標」の設定と、達成「手段」については自己決定感の尊重を続けていくしかないかなと思います。