人の話についていくためにできる限り努力せよ
さぷさんです。4連休ですが、予定がまったくありません。
さて、過去にコンサルタントと呼ばれる方とご一緒に仕事をさせて頂くことが何度かあったのですが、優秀なコンサルタントの方にはある共通した特徴があります。
僕は人事系なので、人事系の業務に関する事をコンサルタントの方と話す際、例えば社員に割り当てられたIDの事を会社によって「社員番号」「従業員番号」「社員ID」「従業員ID」など、様々な呼び方があると思うのですが、話の流れで敏感に察知して、その会社の用語で話してくれるのです。
これは、クライアント側のコミュニケーションコストを下げるために意図的に行っている事なのだと思います。例えば「社員番号」を使っている会社に対して、「社員ID」という言葉を使ってしまう場合、クライアント側に脳内で用語の変換を強いる訳です。
些細な事であったとしても、ただでさえプロジェクト的な業務は脳に負担をかけるので、余計な負荷はかけずにより本質的な所にリソースを割いてもらおうというプロフェッショナルな姿勢があるのではないかと思っています。
加えて、最低限の業界用語は知っていないと話になりませんから、本を読んだりして勉強する事は大切ですし、分からなかった単語は後で調べておく事が大切だと思います。
また、ミラーリングと言いますが、相手が自分と同じような振る舞いをしていると、本能的に人は親近感を得ると言いますか、落ち着きを得るものです。
言葉遣いや立ち振る舞いなど、相手を真似するだけで親近感が上がる訳ですから、例えコロナによってウェブ会議が増えていたとしても、さり気なく相手と同じポーズを取るというのは有効なケースがあるかもしれません。
あと、メールも同様です。相手が自分を「○○さん」と書いていたら、こちらも「△△さん」と返したほうがイメージが良いでしょうし、改行が多めな人にはやはり改行を多めに、またスマホからメールを送っているようであれば読みやすいように逆に改行を減らすという配慮があるといいと思います。
自分のスタイルを確立するのも大切ですが、相手によって臨機応変にスタイルを変えることが出来るのも同じくらい重要です。
と、いろいろ書いてきましたが、タイトルにした「人の話についていくためにできる限り努力せよ」というのは、最近読んでいるマルクス・アウレリウスの自省録に出てくる言葉です。
その後に続くのは「物事の結果や原因の中へ心で入り込むようにせよ」となっています。
つまり、相手が発する言葉で物事の構造を理解し、深く入り込む事が重要であると言っているのです。
ローマ皇帝がコンサルタントとして今でも通用するような言葉を残しているという事に驚くとともに、本質的な事と言うのは早々変化するものではないという事なのだと思います。