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さぷログ

メーカーの人事部門で働いています。

リスキリングの対象から外れる50代大企業社員

さぷさんです。大企業の片隅で働く44歳のおっさんです。一応SEをやってたので会社ではシステムに詳しいことになってます。

さて、10/4付の日経新聞で以下の記事がありました。

社員学び直し「実施」は67% : 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76293720T01C21A0TB0000/

新型コロナウイルス禍で経営環境が大きく変わるなか、企業はデジタル化などに対応できる専門人材の育成に力を入れる。社員のリスキリング(学び直し)に「取り組んでいる」と答えた企業が67.6%だった。内容を尋ねたところ(複数回答)、「デジタル・プログラミング」が75.5%とトップ。次いで「語学」(57.4%)や「統計・データ解析」(56.4%)、「マーケティング・経営」(56.4%)が続く。」

というような内容でして、「デジタル・プログラミング」と「統計・データ解析」はDXの活用ということでセットで考えた方がいいかなと思います。

といいますか、もっと言いますとDXの最新事例は欧米が先行していそうですし、マーケティングのセンスもDXには必要とされますので全て繋がっているような気がしなくとありません。

そして、記事の中にあるリスキリングの対象者なのですが、トップは30代の36.2%で、今回の記事の主役にしたい50代は19.0%で比率的に最下位でした。

僕はこの記事を読むまでは、リスキリングで今最も重要視されているのはDXであって、一番リスキリングが必要なのは働かない50代の社員だと思っていたので、ロジカルシンキングが苦手な働かないおじさんにDXは地獄だなと思っていたのですが、現実はもっと地獄で、経営層や人事部はそもそも50代の人材には見切りをつけていて、貴重な資本を投下する気は無いということが分かりました。

コーディングが不要なノーコードも注目されていますが、そもそもロジカルに考えを組み立てられないとDXに取り組んだところでろくなアウトプットが出せません。

僕も偉そうな事を言ってますが、今必要とされるのは統計の素養を持ってPythonを扱えるDX人材ですから、その前提でビッグデータを解析せねばならない訳です。

統計というのはややこしい学問でして、まず差が生じないはずという帰無仮説(無に帰したい仮説)を立てまして、それに対して違いが生じるはずという対立仮説を立て、差があるということを証明し、帰無仮説を棄却して対立仮説を採択するというどうしてそういうプロセスにしようと思ったんですかと思わず問わずにはいられない構成になっています。

この前提をクリアした上でのDX人材ですから、まあ50代の働かないおじさんでないとしてとハードルが相当に高いと思っています。

そしてここからが問題なのですが、経験勘度胸で事業計画を立てていたのをDX活用で精度を上げようというのは正論ですが、そもそも内需は人口減で縮小する一方ですから、企業によってはDXを充実させたところでマーケットがどうにもならないという事になってしまっているかもしれません。

50代の働かないおじさんは経営陣も見放してますし、そもそも内需関連企業だとコロナの反動需要はあるかもしれませんが基本はshrinkですから、シェア拡大か身の丈にあった経営をせねばならないということで、あまり先行きは明るくないというエントリーになってしまいました。

岸田内閣に期待したいと思います。