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さぷログ

メーカーの人事部門で働いています。

自分の意見に100%反対な人がいる前提で仕事をしたほうがよい

さぷさんです。大企業の管理部門の片隅でひっそりと生きています。

さて、僕は立場上全社員にアンケートを取る仕事もしていたりするんですが、アンケートに自由コメントなんかを設定した場合はなんといいますか、この社員はQアノンの信者なのではないかしら?くらいの陰謀論を長々と綴っているコメントを発見したりしてげんなりするんですが、それは極端な例としても何かの施策をやろうとすると様々な意見が出てきます。

また、以前システムの担当をしていたのですが、グループ全体でシステムを同一するプロジェクトで、子会社にシステムを導入するために現地に赴いて説明会を開いたんですが、会場の会議室には子会社の管理職が全員集められており、まじかと思いながら淡々と説明していたんですが、本社から来た若造が面倒くさい事を押し付けやがってという雰囲気がありありでした。

質疑応答の際には「確かに管理が厳しくなり、仰って頂いたとおり現在の慣行とそぐわない部分もございますが、そこは柔軟に対応頂きつつ、なんとか導入をお願いします」という感じで平身低頭でお願いをしたという経験もあります。

そんなこんなで僕はもともと陰キャで慎重な性格というのもありますが、自分のやろうとしていることに100%反対という人は必ずいるという前提が体感として染み付いています。

何か新しい取り組みをしなければならないときには、一旦素案を作った後、この取り組みに関わるステークホルダーは誰で、反対するとしたどの部分で、それは対策可能なのかという事を一通りシミュレーションを行うようにしています。

また、何かを始めるときは必ず反対する人がいる前提としているため、大義と正論が大切になります。「あなたと僕の考えは正反対ですが、この施策にはこのような実施背景と目的があるのですが、ここまで同意出来ますかね」みたいなイメージです。ドストレートには言いませんが、説明会などではそのような資料構成や説明を意識して行っています。

あと、寝技は好きではないので、キーパーソンや偉い人には事前説明しますが、それよりなりより施策としての筋のよさが何よりも重要だと思っています。

そんな訳で今まで担当したプロジェクトはそれなりにうまくいったものが多いのですが、今同じ部署にいる後輩がプロジェクト的な業務を進めるのが上手ではなく、1ヶ月ほど何の進捗もなかったので手伝うことになりました。

仮にA君としますが、そのA君の口癖が、「たぶんこうだと思います」とか「ふわっとしてますが、」とか「○○さんも同じだと思います」とか、エビデンス軽視のふんわりイメージ君なので、「思い込むより確認してほしいんだけど」「だいたいってそれ数字でいうとどれくらいなの?」「ちゃんと確認した?」とか、このご時世パワハラにならないくらいに優しい口調で立て直しました。

幸いA君は僕の事を慕ってくれていて「さぷさんさんのスキルを吸収したいです」って言ってくれていて、それは心のなかでは無理だと思っているんですが、プロジェクトがひと段落したくらいにAくんと雑談しているときに、上に書いたようなことを伝えました。

その時に、「Aさんが主担当のプロジェクトが進まないというのは、誤解を恐れずに言うと誰かが反対をしているということでしょ?例えば極端な例だけど、よかれと思って自分のハンカチで机を拭いたとして、ある人が見たらハンカチの汚れを机にこすり付けているって不快に思う可能性があるわけだよ。一旦自分の仕事を批判的な目で見る癖をつけないと、大きな仕事を成し遂げるのは難しいよ」と伝えました。

「え?さぷさんさんはそんなこと考えて仕事しているんですか?何歳くらいそう言うことを意識しているんですか?」と聞かれたので、「Aさんは今確か30代前半だと思うけど、そのくらいの時は仕事に活かしてたと思うけど」と伝えたところ感心されました。

僕は逆にA君の想像力のなさに若干驚いたんですが、自分の常識は他人には全くもって新鮮な考えであるという事があらためてよくわかりました。